こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第6話をお届けします。
前回に引き続き、勘定科目の簡単なご説明、
今回は固定資産の紹介です。
簿記の特性上、固定資産は”お金の動き”との連動性が薄いため、
直観的に内容が理解しにくいかもしれませんが、
決して難しいものではないので、辛抱してついてきてくださいね。
登場猫物と登場人物
前回のお話
有形固定資産は形のあるもの
ひで:さぁ、昨日の続きいくで。今日は固定資産な。
マネ:バッチコーイ!
ひで:まず、固定資産っていうのが何かっていうと、
1年を超えて使う資産のことな。
ほんで、その一つ目が有形固定資産。
有形て言うてんねんから、形のあるものな。
例えば、↓みたいな資産が有形固定資産や。
- 建物
- 建物付属設備
- 構築物
- 機械装置
- 車両運搬具
- 器具備品
- 土地
- 建設仮勘定
- 減価償却累計額
この中でわからへんのあるか?
マネ:だいたいはわかるけど、そうやなー、
建物付属設備と構築物ってどうちゃうん?
ひで:構築物っていうのは一応建物からは独立して取り付けられてるもので、
建物付属設備は、建物に埋め込まれてしもてるもの、っていう感じかな。
例えば、建物の外に付ける非常階段なんかは構築物なんやけど、
建物の中の空調設備なんかは建物付属設備やねん。ややこしいやろ。
マネ:ほんなら建物仮勘定は?
ひで:建物仮勘定っていうのは、作りかけのもんやねん。
例えば、1億円の建物が建設中で、業者には3,000万円を前払いしてる時とかに、
建設仮勘定として3,000万円計上すんねん。
マネ:ほーほー。最後、に減価償却累計額ってのは?なんか資産ぽくなくない?
ひで:せやな。資産そのものではないな。
これは、資産の価値の目減り分を差し引くための勘定やねん。
例えば1,000万円の機械を買ったとして、それが10年間使えると見込んだ場合、
買ってから3年経ったら300万円分価値が無くなったと見るわけや。
やから、機械1,000万円、減価償却累計額▲300万円っていう風に書くねん。
マネ:10年経ったら壊れるってどうやってわかんの?
ひで:そんなんわからへん。
やから、こういう機械やったらだいたいこんなもんやろっていう、
年数の表があるから、それを使って計算すんねん。
この手続きのことを減価償却て言うねんけど、
また今度詳しく説明するな。
無形固定資産は目に見えないけど価値のある資産
ひで:次、無形固定資産。
こっちは、有形じゃないもの。形の無い固定資産な。
例えばこんなん。
- ソフトウェア
- 特許権
- 商標権
- のれん
- ソフトウェア仮勘定
マネ:ソフトウェアっていうのは、そのまんまソフトウェア?ゲームみたいな?
ひで:ゲーム会社やったらそらゲームソフトはソフトウェアやけど、
普通の会社でいうたら、会計ソフトとか、営業ソフトとか、そういうのな。
マネ:あー。そういうことか。銀行のATMのシステムとかそういうのな。
ひで:そうそう。
マネ:ほんならソフトウェア仮勘定っていうのは、
そのソフトとかシステムを作ってる途中ってこと?
ひで:その通り。
マネ:ほんなら、あとはー。
特許と商標はわかる。のれんて何?
ひで:のれんはなぁ。ちょっと説明が専門的になんにゃけど、
いわゆる”超過収益力”って呼ばれるやつやねん。
マネ:あ?
ひで:あんな、そやなぁ、例えばー、白い恋人知ってるやろ?
マネ:知ってる。北海道土産のラングドシャな。
ちなみにラングドシャっていうのは、
ラング(langue:舌)ド(de:の)シャ(chat:ネコ)で、
猫の舌っていうねんで。これネコ識な。
ひで:ご高説どうもありがとうございます。
つまり、白い恋人はネコでも知ってる超有名なお菓子や。
ほんで、この白い恋人を作ってるのが、”石屋製菓”っていう会社やねん。
さて、今、この石屋製菓を買収しようかっていう話になったとするやん?
んで、資産から負債を引いた正味の資産が100億円やったとするやん?
でも、こんな有名企業やから、買いたいっていう会社がいっぱいあって、
結局買収に120億円かかったとするやんか?
そしたら、この120億円と100億円の差ってなんやと思う?
マネ:えー、なんか損した感じ。
ひで:損とちゃうねん。
これがのれんであり、超過収益力やねん。
つまり、100億円の価値しかないものを120億円で買ったんやけど、
石屋製菓は超有名お菓子屋さんやから20億円ぐらいの元はすぐにとれるはず!
っていう考え方な。
やから、この20億円をあたかも、
価値のある資産であるかのように扱うのが、こののれんな。
マネ:うーん、難しいけど、なんとなくわかったような気がする・・・かな。
ひで:よきよき。
投資その他の資産はなんかよくわからんものの集まり
さぁ、次は資産の最後やで。投資その他の資産。
これは、ほんまにその他やな。
流動資産にも有形固定資産にも、無形固定資産にも入らへんかったやつ。
例えばこんなん。
- 投資有価証券
- 長期貸付金
- 敷金・保証金
- 破産更生債権
- 貸倒引当金
とりあえず一個ずつ説明していくで。
投資有価証券は、株式とかな。これはええやろ。
子会社の株式やったり、普通に証券会社を通して買った上場株式やったり。
長期貸付金は、”1年以内に返ってこない”貸付金。
敷金・保証金は、家とか借りるときのあれな。
普通、家とか部屋っていつ退去するかわからへんやろ?やから固定資産やねん。
あと、破産更生債権やけど、これはちょっと説明が必要やな。
この破産更生債権っていうのは、
元々は流動資産の売掛金やったり、未収入金やってん。
やけど得意先が破産したとかで、ほぼ回収でけんよな、ってなったとしたら、
もはやその売掛金とかは、”1年以内に回収できる”債権ちゃうやろ?
やから、流動資産から、固定資産にもってきて名前を変えんねん。
つまり、この勘定科目の意味合い的には、”ほぼ返ってこない債権”ってことな。
マネ:あー、やから、またここで貸倒引当金が出てくんのか。
ひで:お、賢いやん。
そうそう、流動資産で出てきた貸倒引当金は、
流動の債権の内、回収できひんと見込んでる部分な。
ほんで、投資その他の資産にある貸倒引当金は、
投資その他の中にある債権のうち、回収できひんと見込んでる部分な。
違うのは、この投資その他の方が”よりやべぇ”ってことな。
マネ:もう破産してしもてるから?
ひで:そうそう。流動の時は、3%ぐらいが回収できひんのとちゃうかなー?
っていう感じやったけど、投資その差の資産の場合は、
もはや、100%返ってきません!みたいなことになってしもてるから、
破産更生債権1,000万円、貸倒引当金▲1,000万円、みたいな感じな。
ふぅー。なんとか、今日中に資産終われたな。
ほな明日は負債と純資産。
(次回へ続く)
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