飲食店の名前の付け方と立地について思うこと

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京都の繁華街を歩いていて、飲食店の立地と、名前の付け方についてふと思うところがあったので備忘の意味も込めて記事にします。

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こんなところに有名ラーメンチェーン店が!

京都の繁華街と言えば河原町通り。

原田はどちらかというと烏丸側をホームにしているので、用が無ければあまり行くことはないのですが、昨日は飲みのお誘いがあったので久しぶりにプラプラ歩いて向かっていました。

そうすると目にとまったのが、そんな繁華街のど真ん中にある某有名ラーメンチェーン店。

京都や滋賀の人間ならたぶん9割方知ってるぐらいの知名度。

味については、個人的には好きでも嫌いでもないですが、店舗数は域内有数で、多くのファンをもっている人気店です。

立地とネームバリューの負の相乗効果

で、ふと思ったのはその立地です。

基本的にそのチェーン店は、国道沿いとか、郊外とかに多く店舗を持っているイメージです。

しかし、昨日見かけたのは、繁華街のど真ん中にチェーン店ドーン。

これ、立地と顧客ターゲット合ってますか?あと採算的にどうなんですかね?

その一店舗だけを見ていうのもなんですが、正直なところ、あんな街中にわざわざ出てくるような人がチェーンのラーメン屋行きますかね?

勝手なイメージですが、繁華街には、何かしら非日常気分を味わいたいからわざわざ足を運ぶのであって、日常の代表格といってもいいチェーンのラーメン屋に食指が向くのでしょうか。

ラーメンを常食する人って、こだわりの強い人が多いですよね。

だから”繁華街にあるから”という理由でそのラーメン屋に入る人はまぁ少ないんじゃないかと。

ラーメン屋っておもしろい業界で、すっごい辺鄙(へんぴ)なところにあっても、絶え間ない行列を作る店もあれば、立地がめちゃくちゃ良くても、それほどでもない客の入りの店もあります。

あと考えておかないといけないのが、収益の限界値。
単価がせいぜい1,000円の業界では、限りある箱(店の広さ)を無駄なく回転させることが、採算をとるためには必須となってきますが、同時に座席の回転率にも限界があります。

郊外にある店でも、繁華街にある店でも、例えば同じ20席で12時間OPEN、一人当たり20分滞在とすれば、1日の売上はどう背伸びしても、12時間÷1/3時間×20席×1,000円=72万円が限界値です。

それらを考えると、”常に一人二人ぐらいがほどよく並んでいるくらい”のラーメン屋が、たぶん店にとって(+客側にとっても)ベストなわけなんですが、残念ながら繁華街に出店したからといって、そうなるとは限りませんよね。

あまりにも有名なチェーン店が繁華街に出店すると、その非日常感の無さから、逆に客足が離れる負の相乗効果が出てしまうのではと懸念します。

あるいは、逆に繁華街に出店したことによって人が並びすぎても、回転率の限界値があるので、無尽蔵に売り上げが伸びるわけじゃないのです。

さらに言うと、同じ”常に一人二人ぐらいが並んでいるくらい”のラーメン屋でも、かたやド田舎、かたや繁華街ど真ん中となった時に、利益的にどっちが優位かは明白です。

ということで、今日の結論その1:
有名チェーン店はブランド力自体はあるのだから、繁華街ではなく、ギリギリ行列ができるくらいの安い土地に出店すべし。

オンリーワン感を出すことの大切さ

で、ここから本日の第二幕なのですが、同じチェーン展開(支店展開?)でも、これはナイス!と思ったことがあったのでご紹介します。

京都界隈で、割と最近出てきた”キラメキノトリ”というラーメン屋があります。

経営母体は創業5年のキラメキノ未来株式会社

1号店は河原町丸太町の交差点にある「らーめんキラメキノトリ」で、現時点(2019年6月)で京都と大阪に合わせて13店舗を展開しています。

このキラメキノトリ、味の論評はとりあえず置いておくとして(原田は個人的に好きです)、その名前ですよ。

13店舗あるのですが、そのうち12店舗が名前を微妙に変えていて、メニューも少しずつ違います。

  • キラメキノトリ
  • 夕日のキラメキ
  • キラメキチキンハート
  • キラメキJAPAN
  • コムギノキラメキ
  • 麺屋キラメキ
  • キラメキの屋台
  • 笑顔ノキラメキ
  • 僕らのキラメキ
  • キラメキの青空
  • キラメキの太陽
  • みんなのキラメキ

キラメキという単語は必ず入りつつも、オリジナリティを醸し出す命名になっていると思います。

それでこの戦略の何がいいかっていうと、同じチェーン店(支店)でありながら、客側から見ると、オンリーワン感が出ていて、「入ってみようか」という気分になりやすい点だと思います。

逆に、名前も同じ、出てくるラーメンも同じであれば、繁華街で目の前にあるチェーン店に”今”入る必然性はないわけです。

この戦略にもとづけば、仮にキラメキシリーズが繁華街の真ん中に出店したとしても、顧客ターゲットの問題はなんぼかマシなんじゃないかと思います。

ただし家賃の問題は同様。

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