【第7話】勘定科目を学ぶその3 負債

猫と学ぶ簿記超入門物語
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こんにちは原田です。

猫と学ぶ簿記超入門 第7話をお届けします。

さぁ、やっと資産の説明が終わり、次は負債です。

負債も流動負債と固定負債の二手に分かれています。

資産と同じように、一年以内に払わないといけないものと、

一年を超えて払うことになる負債です。

ではどうぞ。

 

登場猫物と登場人物

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)

前回のお話

【第6話】勘定科目を学ぶその2 固定資産
前回に引き続き、勘定科目の簡単なご説明、今回は固定資産の紹介です。簿記の特性上、固定資産は"お金の動き"との連動性が薄いため、直観的に内容が理解しにくいかもしれませんが、決して難しいものではないので、辛抱してついてきてくださいね。

 

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もう飽きたやろ?

ひで:もうそろそろ飽きてきたやろ?勘定科目の説明。

マネ:しょ、正直な。

ひで:いや、わかってんねんけど、やっと資産全部説明し終えて、

その他をやらんのも気持ち悪ない?

マネ:いや、まぁ。それに、最初にざーっと、

全体観を見とくのもわからんではないしなぁ。

ひで:よっしゃほんなら負債・純資産いこか!

マネ:・・・・・

流動負債

まず流動負債から。

仕入債務

仕入債務は支払手形と買掛金な。

これは売上債権の裏返し。

材料とか商品とか、製造・販売に必要なものを買った時に使う勘定な。

マネ:ということは、製造・販売に必要ないものを買った時は、

この勘定使わへんってことか?

ひで:そう。資産の方に未収入金ってあったやろ?それと一緒。

というわけで次。

短期借入金・一年以内返済予定長期借入金

マネ:一年以内返済予定長期借入金てなっが。

ひで:そやねん、書くん大変。っていうかめんどくさい。

その上、この勘定科目だけやたら長いから、Excelとかで横幅決めるのに悩む。

マネ:しょうもない悩みやけど、実務的やw。

ひで:これぞ実務。

ほんで、中身やけど、短期借入金はその名の通り、短期の借入金。

簿記は1年ルールが基本て言うたやろ?

というわけで、短期借入金は、1年以内に返さなあかん借金な?

マネ:一年以内返済予定長期借入金との違いは?

ひで:こっちはあくまで長期借入金やねん。

長期やから、借り入れたときは1年を超えて返済する約束やってん。

例えば、2億円を借りて、1年毎に5,000万円の返済やとするやろ?

ほんなら最初に返済する5,000万円は、長期で借りてるけど、

実際のところ1年以内に返さなあかんやん?

やから、5,000万円だけ、流動負債に置いとくねん。

マネ:いちいち分けなあかんの?

ひで:分ける作業するのは1年に1回、決算の時だけでええで。

未払金

ひで:これが製造・販売に必要ないものを買った時に使う勘定。

マネ:製造・販売に必要ないものって具体的に言うと?

ひで:うん、代表的なんが固定資産と経費やな。

機械とか建物を買うたり、消耗品とか通信費なんかの支払いが

まだやったりする場合にはこの勘定や。

個人事業主で、経費をクレジットカードで払った時もこの勘定やで。

もちろん法人でコーポレートカード使った時もな。

資産側の未収入金は会社によってはほとんど使わへん場合もあんねんけど、

固定資産も経費もない会社はないから、必ずこの未払金は出てくんねんで。

マネ:え?でも、経費なんか、請求書が来る都度払うもんちゃうん?

そやとしたらこの勘定使う機会無くない?

ひで:期の途中はまぁ、それでもええわ、請求書来た都度払い。

やけど、期末月はあかんで。

貸借対照表っていうのは、ある一時点で、

どれだけの資産と負債があるかを一覧にした表やから、

期末日時点で確定してる債務があるんやったらちゃんと載せとかなあかん。

例えば3月31日に頼んでたパソコンが届いたとしたら、

請求書がまだ来てなくても、見積書とかで金額わかるやろから、

消耗備品費XX円/未払金XX円

っていう仕訳を切っとかなあかんねん。

ていうか、これは別に未払金だけやなくて、仕入債務でもそうなんやけどな。

仮に請求書が来てなくても、

買った分はその月の仕入れとして織り込んどかなあかんねんで。

マネ:めんどくさいなぁ。

未払費用

ひで:さぁ、もう一つ未払シリーズ。

さぁ、未払金との違いはなんでしょう?

マネ:金と費用かー。なんかどっちがどっちでもよくない?

ひで:そう、どっちがどっちでもよ、くない。

定義から説明してもええねんけど、そんなん頭入らへんやろから、

超単純化して言うと、未払金は単発で、未払費用は継続な。

代表的なんは給与とかかな。

例えば給与が、月末締めの翌月25日払いとかになってるとすると、

月末時点では1ヶ月分の支払いが確定してるわけやけど、

給与は労働っていう”継続的”なサービスの対価やから、

未払費用に上げとかんとあかんねん。

マネ:なんで単発と継続を分けとかんとあかんの?

ひで:なんでやろな?深く考えたことないわ。

1つ言えるんは、未払費用の方は、”継続“やから、

常にこれぐらいの債務はあるねんで、

っていうことを貸借対照表で示すためちゃうかな?

マネ:うーん、微妙。

ひで:まぁ、そう言いないな。

未払法人税等

さぁ、最後の未払シリーズ。

これは簡単。まだ払ってへん税金な。

“等”ってなってるけど、これは、法人税と住民税と事業税のことな。

何でかって言うと、この3つの税金はまとめて計算するから。

マネ:住民税って法人やのに?

ひで:まぁ、今日は詳しくは説明せんけど、会社も法”人“やねんで。

人やから、住民税払わなあかんねんで。

マネ:え、そうなん?初めて知った。

ひで:そう。”法”律上作った”人”やから”法人”。

マネ:なーるほーどなー。

未払消費税

ひで:ごめん、もう一個未払あったわ。

マネ:簡単そうやし許す。

ひで:ありがたき幸せ。

まぁ、これはそんなに説明いらんかもしれんけど、払わなあかん消費税な。

税込みで1,080円で仕入れて、同じく税込み1,296円で売ったら、

受け取った消費税96円、払った消費税80円やから、

差引16円を払いましょうってことな。

前受金

ひで:これは前渡金の反対な。

マネ:なんやっけ?もう忘れた。

ひで:前渡金は仕入の前払い。ということは?

マネ:前受金は売上金の前金?

ひで:そう。先にお金貰っとくねん。

初めて取引する得意先とか、

金回りが悪くて回収がやばそうな得意先に販売する時に、

先に金くれやーって言うて払ってもらうねん。

マネ:先に金もらえたらなんか得した気分やな。

ひで:気分だけやないんやで。先にお金がもらえるっていうことは、

その分資金繰りが楽になるっていうことやからな。

資金繰りについては前にも記事書いてるからそっち読んどけ?

マネ:エー。

資金管理のやり方の基本-第一歩は資金の最低ラインを知るところから-
昨日は外部からの資金の余裕度、すなわち会社の安全性分析の方法と、目安についてお伝えしました。今日は話を内部からの目に切り替えて、資金管理の基本についてご説明します。

預り金

ひで:預り金は、ほんまは従業員とか取引先が払わなあかんお金を

会社が一時的に預かってる場合に使う勘定やで。

代表的なんは源泉所得税と社会保険料やな。

マネ:なんやねんそれ?

ひで:あんな、従業員が1ヶ月働いて30万円の給料やとするやろ?

やけど、そっから社会保険料と税金払わなあかんやんか?

所得税、年金、健康保険。

仮にそれが合わせて6万円やとすると、従業員に振り込むのは24万円で、

税金等6万円は翌月に会社が代わりに払うねん。

具体的に仕訳で書くと、

給料30万円/預金24万円

      預り金6万円

後日、

預り金6万円/預金6万円

こうなる。

マネ:なるほどな。会社が払わなあかんのは30万円でなんも変わらへんねんけど、

払う先と払う時期が違うから、この勘定が必要になるんやな?

ひで:そう、ようわかってるやん。

賞与引当金・役員賞与引当金

ひで:さぁちょっと難しいで。

まず引当金ってなんやねん?やろ?

マネ:引当金ってなんやねん?やな。

ひで:引当金っていうのはな、

将来たぶん払わなあかんけどだいたいしか金額わからへんしなー、

っていうのを解決する勘定やねん。

賞与、つまりボーナスで言うたら、3月末決算として、

6月にボーナス出ることがわかってるけど、まだ金額は確定してへんみたいな。

そんな時に、まぁ払うのは払うし、だいたいこんなもんやな、

っていう金額を負債に上げとくねん。

マネ:そんな適当でええの?

ひで:簿記ってな、そうカッチリしたもんばっかりちゃうねんで。

マネ:ほな、帳簿つける人によって結果がかわることもあるっていうことか?

ひで:そう。その通り。

やから簿記、っていうか会計は”判断の産物”って言われんねん。

固定負債

ひで:さぁ、これで流動負債終わり。次は固定負債。

やけど、もうおれも辞めたなってきた。説明すんのだるい。

マネ:でももうここまで来てしもたしなぁ。

ひで:もうちょっとがんばろか。固定負債は軽いし。

マネ:ウス。

長期借入金

ひで:これはもうええやろ?さっき短期借入金のところで説明したし。

マネ:大丈夫っす。ウスウス。

退職給付引当金・役員退職慰労引当金

ひで:さぁ、出てきました。引当金。

マネ:えーっと、将来たぶん払わあかんけど、

だいたいしか金額わからへんやつやな?

ひで:そう。こんどはそれの退職金バージョン。

退職金って月給と勤続年数で決まったりすんねん。単純に言うと。

やから、例えば今50歳の人が定年まであと10年働くとして、

今のペースでいくと、その時の月給はこれぐらいやから、

退職金もこれぐらいやろ、みたいな感じ。

マネ:さっきの賞与引当金と違って、見積るんむずくない?

ひで:そう。超むずい。

ていうか、やから、中小企業の場合は、

“今退職されたらこれぐらい払わなあかんな”っていう金額を計上しとくねん。

マネ:それでもむずそうやけどな。

ひで:よっしゃー、負債終わったー。

マネ:え?固定負債もう終わり?よっしゃーーーーー!

ひで:いや、細かいこと言うたら他にもあんにゃけどな。とりあえず終わり。

(次回へ続く)

【第8話】勘定科目を学ぶその4 純資産
今回でやっと貸借対照表に出てくる勘定科目の説明も最後です。今日説明する純資産は、資産でも負債でもない、なんだかよくわからないものです。ちなみに、普段の帳簿作業するにあたって意識することはほぼありません。なので、読み飛ばしていいですよ。嘘です、読んでください。
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