こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第8話をお届けします。
今回でやっと貸借対照表に出てくる勘定科目の説明も最後です。
よくぞここまで辛抱して読んでくださいました。
今日説明する純資産は、資産でも負債でもない、
なんだかよくわからないものです。
ちなみに、普段の帳簿作業するにあたって意識することはほぼありません。
なので、読み飛ばしていいですよ。
嘘です、読んでください。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
前回のお話
純資産
ひで:さて、貸借対照表部門ラスト、純資産。
今日は短いで。嬉しいやろ?
マネ:マンモスうれぴー。
純資産なぁ。なんかふわっとしててあんまり想像つかへん。
ひで:そやなぁ。確かに概念的なところがあるしなぁ。
ま、できるだけ「あはーん」ってなるように説明するわ。
資本金
まず純資産言うたら、これな。資本金。
10年ちょっと前までは純資産の部を資本の部て言うててん。
やから、この資本金が純資産の部の本体みたいなもんや。
マネ:ほんで資本金て何なん?
ひで:資本金は事業の”元手”なんやけど、
言うたら借入金みたいなもんや。
マネ:は?そうなん?
ひで:そう。ただし返さんでええ借入金な。
借入金は返さなあかんし利子もつく。
やけど、資本金は返さんでええし、利子もつかへん。
マネ:そんな都合のええ借金があるんかいな?
ひで:銀行は金を貸して、利子っていう形で、”確実に”儲けようとするやろ?
でも、資本にはそんな確実性あらへんねん。
資本金を出してくれる人のことを”投資家”とか、
“資本家”って言うねんけど、利子もないし、元本の返済もない。
やけど、その代わりに差し出したお金で起こした事業から、
もうけが出たら、利益の中から”配当”をもらうねん。
マネ:確かに似てるな。
ひで:ま、儲かるか儲からへんかわからへんから、
投資する方からしたら博打やわな。
資本剰余金・利益剰余金
ここは簿記入門者にとっては概念的な話で分かりにくい上に、
わかったところで実務にほとんど影響せんから、説明省くわ。
あ、利益剰余金の中の一項目、繰越利益剰余金だけ説明しとくな。
マネ:全然内容が想像つかんな。
繰越利益剰余金はな、それまでの利益の蓄積やねん。
例えば、事業を始めて3年目。
1年目に500万円、2年目に700万円、
3年目に900万円の利益残ったとするやろ?
ほんで、その利益の中から配当金を1年目100万円、
2年目150万円、3年目200万円と払ったとするやろ?
ほんなら、事業開始から3年経った時点で、なんぼ利益残ってる?
マネ:500-100+700-150+900-200=1,650万とちゃうんか?
ひで:そう、それが繰越利益剰余金。
厳密に言うたらもっと細かい計算になるけど、
この原則さえわかっとけば大丈夫。
マネ:この会社には1,650万円の貯金があるっていうこと?
ひで:この”貯金”ていう言葉がくせ者でな。
かならずしも1,650万円の現預金があるわけやないねんで。
マネ:???どういうこと?そんなん貯金て言わへんやん。
ひで:そうやねん。
簡単な例で言うと、仕入0円、現金売上1,000万円やとしたら利益いくら?
マネ:そんなん簡単やん。1,000万円。
ひで:そう”利益”は1,000万円。
ほな、その儲かった現金1,000万円で土地でも買うたらどうなる?
利益の額は変わるか?
マネ:え、変わらへん、と思う。
ひで:そうやねん。変わらへんねん。
なんでか言うたら、土地を買っても利益には何の影響もあらへんから。
ということは利益は変わらず1,000万円やけど、金は1銭も残ってへんやろ?
マネ:うーん、確かに・・・。
ひで:ほら、“貯金”はあらへんけど、繰越利益剰余金1,000万円ある。
つまり、繰越利益剰余金は、
今までどれだけ利益を上げてきたかっていうことを表すだけで、
もうかった分のお金をどう使ったかっていうこととは無関係やねん。
マネ:まぁ、なんとなくわかった気がする。
ひで:あと純資産の部には、評価・換算差額と新株予約権があるけど、
普通に中小企業の経理やってるだけやったら、
ほぼ気にせんでええから説明は省略!
あ、唯一、”その他有価証券評価差額金”だけさらっと説明しとくな。
その他有価証券評価差額金は、上場株式(とか)の含み益な。以上。
マネ:ざっつ!
ひで:というわけで、貸借対照表の勘定科目の説明おーわり!
マネ:やっと終わった・・・
(次回へ続く)
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