こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第2話をお届けします。
猫と学ぶ簿記超入門、今回は複式簿記についてです。
簿記にも大きく2種類あって、一つは家計簿などで使われる簡単なものですが、
会社の会計で使う簿記は、専門的な知識が必要になってきます。
通常、簿記というと、この会社の会計で使う簿記、
すなわち複式簿記のことを言います。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
(前回のお話)
取引を記録する方法 - 簿記では仕訳で取引を記録する
ひで「貸借対照表と損益計算書が何なのかっていうのがわかったところで、
ここから仕訳の話な。」
マネ「仕訳?」
ひで「そう、仕訳。例えばー、そやな、
“お客さんに何かを売って、その代金10万円を受け取りました。”
この取引どうやって記録しといたらええと思う?」
マネ「10万円の売上やろ?ほんなら、
こう書いといたらええんとちゃうん?」
ひで「OK。そしたら、質問変えるで。
“お客さんに何かを売って、
その代金10万円は1ヶ月後に受け取ることにしました。”
これやったらどうやって記録する?」
マネ「えーと、物を売ったのは同じなんやろ?
ほんならやっぱり、
とちゃうん?」
ひで「1つ目はすぐ現金を受け取ったのに、
2つ目はまだ現金受け取ってないねんで?
違う取引やのに記録の仕方同じやったらおかしくない?」
マネ「うーーーーーーん、そやなぁ・・・」
単式簿記は現金・預金だけしか記録できないの
ひで「答えを言うとな、
マネの考えてる記録の仕方は”単式簿記”って言うねん。
マネ「単式簿記?簿記にも種類があんのか?」
せやねん。
マネの考えてるのって↑こんなんやろ?
これを単式簿記による”収支計算”って言うんやけど、
単式簿記っていうのは、単純な現金の出入りしか記録できひんねん。
やから、さっきみたいな現金の動かへん取引は記録できひんねん。
単式簿記は、身近なところで言うと、↑みたいな家計簿な。
それとか、お小遣い帳とか、町内会とか、サークルとかの、
現金・預金の出入りさえはっきりしておけばいい集団の会計は単式簿記や。
あとは、公会計も実は単式簿記やねん。」
マネ「公会計て何や?」
ひで「要するに自治体や。都道府県とか市町村。」
マネ「え、まじでか。全然ちっちゃくもないし、
現金・預金の出入りさえはっきりしとけばいいわけでもないやん。」
ひで「ごく一部、後で説明する複式簿記でやってる自治体もあるんやけど、
まだまだほとんどが単式簿記。
単式簿記やと複雑な取引が記録でけへんから、
細かい分析ができひんて言われてんねん。
せやし、財政健全化とか言うんやったら、
自治体も単式簿記やめなあかん。
まぁ、その話はいいとして、
とにかく会社の会計をする時は、家計簿ではあかんのよ。」
複式簿記はなんでもOK
マネ「ほな、どうしたらええのん?」
ひで「ちゅうことで、次に出てくるのが複式簿記っていうんやで。」
マネ「あー、わかったで。複式ってことは、
単式は現金だけやけど、複式は現金以外もいけんにゃろ?」
ひで「正解。この複式簿記はもう、歴史上の発明の中でも、
トップ10に入ってもええんちゃうか言うぐらいの発明なんやで。
まぁ、この話はし始めたら終わらんからやめとくわ。
んで、複式簿記でさっきの取引を記録するとこうなる。
売掛金っていうのは、”後でお金をもらえる権利”のことな。」
マネ「ツケのこと?」
ひで「そうそう、それよ。
「おばちゃん、今日の分ツケといてー」ていうやつな。
もしくは”掛け売り”って言うたりもするな。
この仕訳には2つの意味があるんやで。
1つは右側:”売上が10万円上がりましたー!”、
もう1つは左側:”10万円をもらえる権利をGETしましたー!”。
こうやって、1つの取引を二つの側面から見ることで、
どんな取引パターンでも、仕訳にすることができるんやで。
例えば、1つ目の例みたいに、現金売上やったら、左側を”現金”にすればいいし、
現金の代わりに約束手形をもらったんやったら、左側を”受取手形”にする。
他にも、もっと無茶苦茶な取引でも大丈夫やで。
売上の対価として、現金の代わりに土地をもらいましたやったら、左側が”土地”や。」
マネ「へー。”お金だけ”っていう縛りがないだけでなんでもできるようになるんやな。」
ひで「そしたら、他にもいろんな取引でどういう仕訳をしたらええのか見てみよか。」
(次回へ続く)
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