【第3話】借方/貸方と仕訳の読み方

猫と学ぶ簿記超入門物語
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こんにちは原田です。

猫と学ぶ簿記超入門 第3話をお届けします。

今回は借方貸方の話と仕訳の”読み方”です。

簿記では覚えないといけないことがたくさん出てきます。

それが、「簿記が嫌いやー」と思われる要因の一つではあるのですが、

実は、ほとんどの専門用語や覚えないといけないことには理屈があります。

どうしても丸覚えしないといけないこともありますが、

ほとんどのことは、ちゃんと理解をしていけば、

自然と覚えていくので心配しなくても大丈夫ですよ。

 

登場猫物と登場人物

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)

前回のお話

【第2話】複式簿記の仕組みを理解する
簿記にも大きく2種類あって、一つは家計簿などで使われる簡単なものですが、会社の会計で使う簿記は、専門的な知識が必要になってきます。通常、簿記というと、この会社の会計で使う簿記、すなわち複式簿記のことを言います。
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借方と貸方 覚えられたらなんでもOK

さて、じゃあ例題出していくで。

と、その前に、しょうもないけど大事な事言うの忘れてたわ。

さっきから、仕訳の左側とか、さらっと言うてるけど、

これな、”借方”って言うねん。

逆に右側を”貸方”って言うねん。覚えといてな。」

マネ「借方と貸方?どういう意味?」

ひで「嫌や、教えたらん」

マネ「なんでや、教えてくれや。」

ひで「今の段階で詳しいこと教えたらあかんねん。マネが混乱する。

借金は”借”っていう文字が入ってんのに、実は貸方に計上せなあかんとか。

あーーーーー言うてもーたーーー、忘れろ。」

マネ「あ?意味わからん。とりあえずややこしいから心を無にして覚えろってことやな?」

ひで「そういうことや。まぁ、心配せんでもすぐに慣れるし、すぐに覚えられる。

左が借方(かりかた)、右が貸方(かしかた)。これでOK。

ちなみに、おれが覚えさせられた時は、これや。

かりかたの”り”は左に払うから左側。

かしかたの”し”は右に払うから右側。

めっちゃ力技やろ。

でもこれでええねん。問題なし。」

マネ「要するに、借方/貸方っていう呼び方に意味はないってことやな。」



仕訳を説明してみよう

ひで「ほんなら仕訳の例題な。

新しく事業を始めたと思って、それぞれどういう取引か考えてみ。」

マネ「よっしゃ。

資本金はさっき言うてた”元手”のことやな?

ほんなら上から、

  1. 元手50万円で商売を始めました。
  2. 50万円では足りひんから、銀行から500万円借金して、
  3. お金は銀行口座に振り込まれました。
  4. 事務所を借りて、家賃5万円を払いました。
  5. 事務所のパソコンとか机とかを30万円で買いました。
  6. 商品200万円を仕入れまし、、、買掛金て何?あ、売掛金の反対か。
    そしたら、商品200万円を仕入れて、代金は後で払うことにしました。
  7. 代金の支払日が来たので、振込で払いました。

どや。」

ひで「完璧や。パーフェクト。」

マネ「へへへへへ。やけどちょっと腑に落ちひんとこがあんねん。

字面(じづら)見てたら、取引の内容はなんとなくわかんにゃけど、

やっぱり借方と貸方のどっちに書けばいいのかがよくわからん。」

ホームポジションを覚えておくべし

ひで「せやんな。説明しとくわ。

あんな、仕訳、というか、簿記では5つの要素、

つまり、資産・負債・純資産・収益・費用、

こいつらのホームポジションを覚えとかなあかんねん。

まずは資産・負債・純資産。こいつらは簡単。

資産は借方(左)、負債と純資産は貸方(右)

さっきの例で言うと、現金と普通預金と商品と器具備品は資産やから、左がホームな。

借入金と買掛金は負債やから右、資本金も純資産やから右がホーム。

収益と費用は形では覚えにくいんやけど、

費用が借方(左)で売上とかの収益が貸方(右)な。

これをまず覚えなあかん。ていうかすぐ慣れるし大丈夫。

ほんで、”自分のホームの方に仕訳が書かれてたらその勘定科目が増える”、

逆に”自分のホームじゃない方に仕訳が書かれてたら、その勘定科目が減る”

っていうことになんねん。

例えば、1つ目の仕訳で言うと、

現金は借方(左)がホームやろ?そんで、その現金が借方(左)に来てるから、

“現金が増えた”になるわけや。

逆に資本金の方を見ると、

資本金は貸方(右)ホームで、その資本金が貸方(右)に書いてあるから、

こっちも”資本金が増えた”になるわけや。」

マネ「どっちも増えんの?」

ひで「そう、どっちも増える。もう一つ説明してみよか。

“商品/買掛金”の仕訳な。これは掛け(ツケ)で商品を買ったっていう意味やけど、

商品を買ったんやから、当然商品は増えるわな。

それと同時に、後々払わなあかん買掛金っていう負債も増えるわな。

ほら、両方増えた。これやったら別に変やないやろ?」

マネ「なるほど!」

ひで「もう一ついっとこ。”買掛金/現金”の仕訳な。」

マネ「もうわかる!説明さして!

これは、左ホームの現金が右に書かれてるから、”現金が減った”を表してる。

同時に、右ホームの買掛金が左に書かれてるから、”買掛金が減った”も表してる。

やから、この仕訳の場合は、”両方減る”。やろ?」

ひで「正解や。ほな次が最後な。

現金/普通預金

これやったらどうや?」

マネ「これはー、左ホームの現金が左に書かれてるから、現金が増える。

ほんで、これまた左ホームの普通預金が右に書かれてるから、普通預金が減る。

ということは、普通預金が減って、現金が増えてるからー、、、

あー、銀行から預金を引き出してきたんやな。」

ひで「正解!よっしゃここまで問題なしやな。」

(次回へ続く)

【第4話】仕訳のちゃんとしたルールのお話
前回は基本的な仕訳の読み方をご説明しましたが、今回は少し"ちゃんとした"仕訳のルールのお話です。といってもそんなに難しいルールはないので、ふーんという感じで慣れていってくださいね。
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