【第20話】事業でクレジットカードを使うときの処理

猫と学ぶ簿記超入門物語
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こんにちは原田です。

猫と学ぶ簿記超入門 第20話をお届けします。

今回はクレジットカードの話です。

個人であれば多くの方がクレジットカードを使っていると思いますが、

事業でももちろんクレジットカードを使うことができます。

ただし、場合によって会計処理が少し異なる場合があるので注意です。

登場猫物と登場人物

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)

前回のお話

【第19話】試算表ってそもそも何なの?
猫簿記も18話まで来ており、 いろんな仕訳も徐々に切れるようになってきていると思います。 しかし実は、簿記の根幹部分でまだ説明していない部分があります。 それが試算表です。名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれませんね。 今日は、試算表ってそもそも何なのか、何のためにあるのかをご紹介いたします。

マネ:なぁなぁ、このamazonで買ったプリンタのインクな、

どうやって記帳したらええんや?

ひで:あー、これなー。

間違えて個人のクレジットで決済してしもたやつやな。

よし、良い機会やし、事業でクレジットカードを使った時の

処理方法と注意点を解説しとくかね。

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事業用の銀行口座を引き落とし口座にしているクレジットカードの場合

ひで:うちの場合は通常はこのパターン。

マネ:貸借対照表に計上されてる普通預金から、

代金が引き落とされるやつやな?

ひで:そう。ほんならマネにこのパターンの説明してもらおか。

せやな、得意先と会食して、料理代10,000円を

クレジットカードで支払った時はどう会計処理する?

マネ:そんなん簡単やん。

接待交際費 10,000円 未払金 10,000円

これがご飯食べた日の仕訳な。

ほんで、

未払金 10,000円 普通預金 10,000円

これが銀行引き落とし日の仕訳。

ひで:そう、その通り。

ご飯を食べた日の時点では、支払いは完了してへんから貸方勘定は未払金な。

マネ:この未払金ってお店に対する未払金?

ひで:は?ちゃうで。クレジットカード会社に対する未払やで。

マネ:え、そうやったんか。知らんかった。

ていうか、クレジットカードを使った時のお金の流れってどうなってんの?

ひで:お店でお客さんがクレジット切るやろ?

ほんならお店はそのお客さんを”信用して”支払いを待ってあげるわけや。

クレジットっていうのは日本語で”信用”っていう意味やからな。

ほんで、後日お店はクレジットカード会社から代金を貰うねん。

ただし、数%の手数料を引かれてな。便利代や。

最後にお客さんはクレジットカードに代金を後払いするわけや。

マネ:へー、クレジットって信用っていう意味やったんや。

お客さんからみたら、現金を用意せんでええから便利やし、

お店側からしたら信用払いができる店っていうことで、

お客さんから選んでもらいやすくなるメリットがあるし、

クレジットカード会社からしたら手数料をもらえるよっていう仕組みか。

ひで:そうやな。ちょっと専門的な話すると、

クレジットカードを使うことで、お客さんはノーリスク、

お店側は手数料分の顧客増があるかどうかわからへんっていうリスク、

クレジット会社側は、お客さんからちゃんと代金を回収できるかどうかが

わからへんっていう信用リスクがあんねん。

マネ:うん、何言うてるかわからへんな( ◜◡◝ )

個人の銀行口座を引き落とし口座にしている場合(個人事業主の場合)

ひで:ほんならこの場合はどう?

マネ:今回の場合やんな。

えっと、「間違えて個人のクレジットで決済してしもたやつ」か。

うーん、借方は費用科目やから変わらへんはずやろ?

接待交際費 10,000円 ??? 10,000円

ほんなら、問題は貸方の勘定科目。

でも、まだこの場合でもお金はまだ出ていってへんわけで、

やっぱり未払金でええんとちゃうん?

ひで:貸方を未払金で計上すると何が起こるかっていう話よ。

未払金で計上してしまうと、支払いの時は必然的に

未払金 10,000円 普通預金 10,000円

こうなってしまうやろ?

この、普通預金は、事業で使ってる銀行口座やん?

でも実際にはプライベートの銀行口座から引き落としされんねんで?

おかしいと思わへん?

マネ:ほんならどうしたらええん?

ひで:個人事業主と法人で処理が変わる。

個人事業主の場合はこう。

食べた日

接待交際費 10,000円 事業主借 10,000円

引き落とし日

仕訳無し      

マネ:あー、そうか、事業主借勘定使えばいいんか。

ひで:そやねん。個人の銀行口座から落ちるんやから、

事業主から借りたっていう風に考えたらええのよ。

個人事業の場合は、本来事業と個人は一体不可分やから、

個人の資産から元手として10,000円を出してあげた、

っていう風に考えるんやな。

事業と個人との間のやり取りはすべてこの事業主借もしくは事業主貸勘定。

ちなみに支払い時に仕訳が必要ないのは、

今言うたみたいに、事業と個人のお金は一体不可分やから、

事業主から借りたものは清算する必要が無いからな。

マネ:返さんでもええってことやな。

個人の銀行口座を引き落とし口座にしている場合(法人の場合)

ひで:さあ、ほんなら、法人の場合はどうなる?

マネ:えーと、意味合いとしては、

社長に支払いを肩代わりしてもらったっていうことやからー。

ひで:そうそう。

マネ:こうか?

接待交際費 10,000円 借入金 10,000円

ひで:まぁ、正解やな。もっと具体的に言うと、

借入金やなくて、”役員借入金”なんやけどな。

接待交際費 10,000円 役員借入金 10,000円

マネ:ほうほう。ほんなら、支払い時は、事業の口座からお金を出さなあかんから、

役員借入金 10,000円 普通預金 10,000円

こういうことやな?

ひで:正解!

というわけで、おんなじクレジットカードでも、

個人事業か法人か、事業の口座から落ちるか個人の口座から落ちるかで

処理が変わってくるから気をつけるんやで。

(次回へ続く)

【第21話】売掛金が回収できなくなったらしなければならないこと
今日は貸し倒れのお話です。 事業を営んでいれは、飲食店や小売業などで、 100%現金商売でもない限り、 大なり小なり売上債権の貸し倒れリスクに晒されることになります。 貸し倒れが生じてしまうのは致し方ないとして、 簿記ではこの貸し倒れをどのように扱えばよいのかを覚えておきましょう。
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