こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第22話をお届けします。
今回は現金過不足の話です。
事業経営で現金を扱っていると、現金残高が合わない時があります。
そんな時はまず原因究明、そしてどうしても原因がわからない場合は、
現金過不足として、雑損失か雑収益で処理します。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
前回のお話
現金が合わなかったらとりあえず現金過不足へ
マネ:合わん。
ひで:ん?
マネ:合わんのや。
ひで:だから何が。
マネ:現金や。
ひで:なんや、違算か?
マネ:おっかしーなー。毎日ちゃんと帳簿つけてんのに。
ひで:現金はなぁ、どうしてもそういう時あんねん。
そら、もちろん違算なんか無いのが当然なんやけど、
人と猫のやることやからな。
マネ:まだ諦めたわけやないけど、こういう時どうしたらええん?
ひで:とりあえずまず、違算があるよーっていうことを、
帳簿に反映させよか。違算額いくらやった?
マネ:3,240円の不足。
ひで:3,240円かー。たぶん3,000円の税込みやなぁ。
まぁ、ええわ。とにかくこの仕訳切るねん。
現金過不足 | 3,240円 | 現金 | 3,240円 |
マネ:現金過不足?内容はわかるけど、これって費用?
ひで:今の段階では費用ではない。
とにかく何かわからんから、仮に押し込んでおくための勘定。
だから、しいて言えば仮払金かなぁ。
現金が過剰になっている時は仮受金。
とりあえず、最終的には消えてしまう勘定や。
大事なのは、とにかく”今ある現金残高に合わせて仕訳を切るっていうこと。
現金過不足は0にするのが経理の矜持
マネ:ほんで、次は?
ひで:次は、原因を究明する。
マネ:結局やらなあかんことは同じなんやな。
ひで:そらそうや。
そこでや。ここに取りい出しましたる領収書2,160円。
マネ:おま!何しれっと領収書出しどんねん!貸してみい!
ひで:ごめん。。。ヤフオクで中古の絶版本買って、
一昨日、代引きで払ったん忘れてた・・・。
マネ:ゴルア!ほんなら3,240円のうち、2,160円はこれやんけ。
ひで:そやな。そしたらこの仕訳切らなな。
新聞図書費 | 2,160円 | 現金過不足 | 2,160円 |
マネ:原因がわかったから、仮勘定から本来の勘定に振り替えるっていうことやな。
でもまだ1,080円残ってんで?もう財布ん中に入ってへんやろな?
ひで:もうないもうない。
マネ:ほんまか?ほんなら残った1,080円はどうするん?
ひで:決算までに原因がわからんかったら、もうしょうがないし、
雑損失に振り替える。
雑損失 | 1,080円 | 現金過不足 | 1,080円 |
マネ:雑損失っていうことは営業外費用やな?
ひで:うん。もし、プラスの違算やったら雑収益。
現金 | XXX円 | 現金過不足 | XXX円 |
からの
現金過不足 | XXX円 | 雑収益 | XXX円 |
となる。
マネ:了解。もう覚えた。
ひで:そやけど、雑損失/雑収益処理は最終手段やで?
基本的にはやっぱりちゃんと原因究明して、
本来の勘定に振り替えたらなあかん。
マネ:お前が言うか。
ひで:知らんなぁ。
現金過不足を回避するには
あとな、この現金過不足が多いまま残ってると、
経理能力を疑われんねん。
特に税務調査が入った時なんかな。
現金過不足が出てるっていうことは、
現金の管理が不味いっていうことの裏返しやから、
他にも何か間違えてるところあるんちゃうかっていうことで、
細かくチェックされる原因にもなるしな。
マネ:どれぐらいやったら過不足出てもええの?
ひで:どれくらいっていうのは一概には言えんよ。
ただ、過不足を回避する方法はあるっちゃある。
マネ:先に言えよ。
ひで:まぁそう言いないな。
まず個人事業主の場合はな、ずばり現金勘定を使わない。
マネ:うそん、そんなことできるん?
ひで:できるで。
うちみたいに、事業用の現金とプライベートの現金を完全に分けてる分にはいいねんけど、
そうじゃない場合は、どっちの支出かわからんようなってややこしいやろ?
やから、敢えて事業用の現金をもたない。
マネ:ほんなら実際に現金で払った時はどうするん?
ひで:そんな時はすべて事業主貸/事業主借勘定を使う。
つまり、すべてプライベートの資金で肩代わりしたっていう風な扱いにする。
例えば、プライベートの財布から、図書を代引きで2,160円支出したら、
新聞図書費 | 2,160円 | 事業主借 | 2,160円 |
これでOK。
マネ:ほう。要するにプライベートからお金を借りたことにするわけね。
ひで:そう。こうしておけばそもそも違算なんていう概念がなくなる。
マネ:ほんなら、法人の場合はどうしたらええの?
ひで:100%の解決法は無い。
基本的にちゃんと漏れなく記帳するしかないんやけど、
1つの方法としては、できる限り現金決済を減らすことやな。
電子マネーとか、クレジット決済とかを駆使して、
現金決済をもしゼロにできたら違算は起こりえへんからな。
難しいやろけど。
というわけで、これからもしっかりやってくれたまえ、マネ君。
マネ:ふっ。
(次回へ続く)
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