こんにちは原田です。
猫と学ぶ経営管理の第7話をお届けします。
今回は、がんばって値引をしてでも売上増を目指すべきか、
販売数量は少なくても定価を維持すべきかという点について、
基本的なのですが意外な考え方についてご説明します。
突然ですが問題です
ひで:突然ですが問題です。
マネ:デデン!
ひで:あなたは車のディーラーを経営しています。
扱っている車の定価は1台100万円、原価は60万円です。
また、販売のために家賃などの固定費が1年に300万円かかります。
去年は1年間にこの車を定価の100万円で10台売ることができました。
あなたは去年の状況を受けて、
より業績を伸ばすべく来年のプランを立てました。
もっと台数を捌けるはず!
20%の値引きをして、販売台数を5割増しにしよう!
売上目標は去年の1.2倍の1,200万円や!
堅実にいこう。
値引はせずに価格を維持して、販売台数は2割増しをなんかと達成するぞ!
売上目標は去年の1.2倍の1,200万円や!
さぁ、どっちのプランが良いと思う?
直感で答えてみ?
マネ:直感で?えーとえーと、B!
ひで:正解です!
終
制作・著作
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マネ:もう、それええから!3日前のネタかぶせんでええから!
プランAは悪手中の悪手
ひで:じゃあ、具体的になんでプランBがええか考えてみ?
マネ:おっけ。その前に去年の損益計算書作っとこ。
売上 | @100×10=1,000万円 |
売上原価(一台当たり変動費) | @60×10=600万円 |
経費(固定費) | 300万円 |
営業利益 | 100万円 |
マネ:利益100万円か。
ほんでプランAはどうなるかというと、
販売価格が2割引きやから1台当たり販価は80万円で、
販売台数は5割増しやから15台やな。
売上 | @80×15=1,200万円 |
売上原価(一台当たり変動費) | @60×15=900万円 |
経費(固定費) | 300万円 |
営業利益 | 0万円 |
うぉ!利益ゼロやんけ!
ひで:せやねん。プランBはどうや?
マネ:えーっと、販価は100万円のままで、台数が2割増しやから12台やな。
売上 | @100×12=1,200万円 |
売上原価(一台当たり変動費) | @60×12=720万円 |
経費(固定費) | 300万円 |
営業利益 | 180万円 |
お、こんどはちゃんと利益増えた。
販売価格キープで少数精鋭が吉
ひで:この結果どう思う?
マネ:うーん、正直プランAの利益ゼロは衝撃やな。
値引したって言うても、1台当たりで言うたら、
ちゃんと20万円の粗利は出てるわけやん?
がんばってがんばって台数増やしてもこれってひどくない?
そうなると、やっぱり商売は数量じゃないんやなーっていう感じかな。
ひで:そうやんなぁ。
プランAではいくら値引してるとは言え、
台数自体は50%も増えてるわけやから、
もうちょっと利益出ててもええような気もするけど、
むしろ去年よりマイナスやからなぁ。
かたや、プランBは着実に利益増えてるわけやから、
価格を守るっていうことがどれほど大事かっていうことやな。
マネ:しかももしかして、これが現実やったら、
経費が300万円でキープって有り得なくない?
ひで:お、いいとこに気づいたなぁ。
そうやねん。販売数量が増えるっていうのは、
想像よりも経費食うねん。
1台当たりにかかる原価と経費だけ見たら、
台数に比例して増えるから問題ないんやけど、
例えば家賃やったら、販売台数が1.5倍になったら、
去年と同じ敷地の広さでやっていけへんかもしれへんやん?
そしたら、もっと広いところで高い家賃払わなあかんかもやん。
マネ:しんどい思いして利益減るぐらいやったら、
少数精鋭的な考え方で、お客さんを大切にした方がええってことかぁ。
ひで:まぁ、これはあくまで理論上の話やから、
現実ではなかなかこの通りにはならへんかもしれんけども、
安易な値引と売上UPは超危険っていうことさえわかったといたらええんとちゃうかな。
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