【第8話】売上件数が減っても、値引きするよりはマシ

猫と学ぶ経営管理
この記事は約5分で読めます。

こんにちは原田です。

猫と学ぶ経営管理の第8話をお届けします。

今回は、前回に引き続き値引に関するお話です。

前回はどのような価格戦略で、

売上アップを狙うかというお話でしたが、

今回は売上が下がりそうな時の値決めのお話です。

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)


スポンサーリンク
スポンサーリンク

売上が増える時も減る時も考え方は同じ!?

マネ:しょっちょー!すごいこと発見した!

ひで:なんでぃやぶからぼうに。

マネ:(江戸っ子?)

あんな、こないだ売上を伸ばす時に、

値引きして伸ばすのは下策や、っていう話あったやんか?

(前回のお話)

【第7話】値引してまで売上を伸ばすべきなのか?
猫と学ぶ経営管理の第7話をお届けします。 今回は、がんばって値引をしてでも売上増を目指すべきか、 販売数量は少なくても定価を維持すべきかという点について、 基本的なのですが意外な考え方についてご説明します。

ひで:うん、それがどうかしたん?

マネ:あの話な、逆でもおんなじことが言えるってことがわかってん!

ひで:ほほう、説明してみよ。

マネ:えっと、前提は一緒な。

扱っている車の定価と原価(変動費):定価100万円、原価は60万円
家賃などの固定費:1年に300万円
去年の成績:1年間にこの車を定価の100万円で10台売ることができた

(損益計算)

売上 @100×10=1,000万円
売上原価(一台当たり変動費) @60×10=600万円
経費(固定費) 300万円
営業利益 100万円

マネ:去年はこの状況。

そんで、今年はどうも景気が悪いなぁ、とか、

競合店とか競合製品が出てきた!みたいなケースを考える。

ひで:ふんふん。

マネ:で、結果的に売上減になったとするやんか。

この減り方が問題なんよ。

ひで:そうそう(ニヤニヤ)。

マネ:なんやねん、結論わかってんのかいな。

ひで:まぁええやん、説明してみいな。

やっぱり値引は悪でした

マネ:なんか気に食わんけどまぁええわ。

ほんでなんやったっけ?

あー、売上の減り方が問題やっていう話な。

1つ目の減り方は、売上は減りつつも台数はキープするパターン。

景気悪いながらも営業マンが頑張って客の値引き交渉にできるだけ応じて、

他社との競り合いがありつつも、

なんとか売り上げを勝ち取ったっていう感じ。

2つ目の減り方は、売上も台数も減るパターン。

景気が悪いのを良いことに値引きを要求してくるお客さんは優先順位を下げて、

据え置き価格でお付き合いしてくれるお客さんを大事にした結果、

台数は減ったけども、1台当たりの価格は死守できたっていう感じ。

これ、計算してみたらびっくりしたで。

パターン1も2も、売上2割減な。

パターン1:台数キープパターン

売上 @80×10=800万円
売上原価(一台当たり変動費) @60×10=600万円
経費(固定費) 300万円
営業利益 ▲100万円

パターン2:台数減パターン

売上 @100×8=800万円
売上原価(一台当たり変動費) @60×8=480万円
経費(固定費) 300万円
営業利益 +20万円

マネ:ほら。えげつな。って思って。

ひで:えげつないよなぁ。

同じように売上減ってるのに、

利益がかたやマイナス200万円、かたやマイナス80万円。

営業マンの存在意義について

マネ:でもこれってあるあるやない?

ひで:そうやねん、めっちゃあるある。

特に斜陽産業とか、他社と差別化しにくい製品を扱ってる企業で顕著やと思うわ。

現場の営業マンにとって値引ってやっぱり”楽”なんやわ。

他社と似たような商品扱ってて、

自社製品を選んでもらう積極的な理由が無いから、

じゃあ値下げしますってな。

そしたら見た目の営業成績はキープできるからヨカッタヨカッタって。

経営者からしてみたら「全然良くないわー!」やな。

マネ:じゃあどうしたらええんや?

ひで:一つ言えるのは、”製品そのもの”で勝負してると、

こういうことになりかねんのかもしれんな。

マネ:ん?どういうこと?

ひで:製品そのものに競争力がある場合は、

特になんもしなくても、他社製品に勝つこともできるし、

価格も守ることができるやろ?

値引なんかせんでも、言い値で買っていってくれるわ。

せやけど、ほんまにオンリーワンの製品を扱ってる企業なんか、言うほどあるか?

マネ:うーん、例えば車なんかほぼ好みの問題やしなぁ。

ひで:せやろ?詳しい人に言わせたら色々違いはあるんやろうけど、

大多数の人にとってみたら、車の性能なんかほぼ一緒で、

実際のところ、色と形と値段ぐらいなもんやわな。

ヴィッツとフィットとマーチとデミオの違いを10個述べよって言われてもおれ無理やわ。

じゃあそういう状況で、どうやったら自社製品を選んでもらえるかってなった時に、

製品でアピールすることが無いんやから、

営業マン自身を買ってもらうしかないわなぁ?

この営業マンとはすごく話が合う、とか。

この営業マンはイケメンor美人さんで応援したくなる、とか。

もしくは、この営業マンは対応がめちゃくちゃ早くて、

不具合があったら絶対に当日駆けつけてくれるとか。

まぁ、やりすぎるとブラックな話になるけど、まぁそういうことちゃうか?

マネ:うーん、、、なんかすっごい属人的やない?

ひで:せやで。その営業マンがもってる個性そのものやわな。

製品の個性じゃなくて。

せやけど、営業ってそういうもんとちゃうか?

極端な話、値引なんか誰にだってできるやんか?

そうじゃなくて、お客さんと良好な関係を築いて、

自分自身を買ってもらえる営業マンが、

いわゆる優秀な営業マンなんとちゃうかな。

めっちゃ当たり前の話しかしてへんけど。

マネ:なるほどなー。

製品を磨いて、そもそも値引なんか必要無い状態にするか、

もしくはそうでないんだったら、

営業マン自身を買ってもらって価格を維持するかってことかー。

ひで:それがなかなかできひんから、みんな苦労するんやけどな。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
京都市の税理士・公認会計士事務所 原田会計のご紹介
10年を超える監査の経験で培った会社の経営分析能力を活かし、親しみやすい人柄で経営者さんの悩みを総合バックアップします!
売上が伸びない、利益が残らない、税金のことで相談したい、内部管理体制をしっかりしたい、資金管理が心配、といった悩みをお持ちの経営者さんは是非一度、原田会計までご相談ください。
詳しいプロフィールやサービス内容、お問い合わせはHPへお越しください。
猫と学ぶ経営管理
ストレスフリーで生きていく

コメント

タイトルとURLをコピーしました