【第5話】外注費と給与の違いは?損益に影響ある?

猫と学ぶ経営管理
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こんにちは原田です。

猫と学ぶ経営管理の第5話をお届けします。

今日は外注費と給与の違いです。

どちらも経費(損金)処理できることに違いはないので、

どっちでもいいじゃないかと思われるかもしれませんが、

実は、判断を誤ると損益の額・税金の額に大きな違いが出てきてしまいます。

登場猫物と登場人物

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)


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外注費?給与?

マネ:しょっちょー、ちょっと教えて。

ひで:はいよー。

マネ:損益計算書見てたらな、給与と外注費ってあるやんか?

給与はまぁ、給与でええとして、

外注費ってのは給与とどう違うん?

例えば、アルバイトを雇って給料を払った場合は、

たぶん給与勘定で処理すると思うねん。

やけど、例えばシステムエンジニアに2週間ぐらい常駐してもらって、

新しいシステムを入れてもらったような時って外注費っていうイメージやない?

どっちも非常勤っていうかスポットっていうか、常勤とちゃうやろ?

ほんならどこで処理の違いを判断したらええんやろと思って。

ていうか、もしや、どっちみち経費(損金)やから、

どっちで処理しても変わらへんとかっていう結論?

ひで:ええところに気づいたなー。

確かにどっちも経費で落ちるから、そういう意味ではどっちでもいい。

せやけど、問題はそこじゃない。

もっと別のところに違いがあって、

損益と税金に結構大きな差が出てくるから要注意なんやで。

外注費と給与で異なる3つの処理

マネ:別のところってどこ?

  1. 源泉徴収の有無
  2. 消費税の仕入税額控除の有無
  3. 社会保険料の事業者負担の有無

ひで:この3つやな。

  外注費 給与
源泉徴収の有無 (原則的に)無
消費税の仕入税額控除の有無
社会保険料の事業者負担の有無

ひで:1つ目の源泉徴収。

外注費の場合は原則何も考えんと、報酬の総額を相手先に支払えばいいのに対して、

給与の場合は、源泉徴収票に基づいて支払額の一部を事業者が預かっとかなあかん。

2つ目の消費税の仕入税額控除。

例えば支払ったのが5,400,000円やったとしたら、

外注費の場合は5,400,000円のうち、400,000円が支払った消費税扱いになって、

納めなあかん消費税の額から差っ引くことができるんやけど、

給与の場合は差っ引くことができひんっていうこと。

3つ目の社会保険料の事業者負担。

厚生年金保険料とか健康保険料とかの半分を事業者が負担せなあかんっていうやつな。

マネ:うーん、3つ目の社会保険料は「あー、確かに」って言う感じやけど、

1つ目と2つ目はイメージ沸かへんなぁ。

ひで:仕訳で考えてみたらわかりやすいと思うで。

売上が2,160万円で、経費が非常勤の人に払った540万円っていう状況を考えてみよか。

ちなみにどっちも税込で、経理処理も税込経理な。

外注費として処理した場合

一つ目、この経費を外注費として処理した場合。

まず売上の処理は大丈夫やな?

売掛金 21,600,000円 売上 21,600,000円

次に経費の処理

外注費 5,400,000円 普通預金 5,400,000円

最後に消費税の処理

消費税(販管費) 1,200,000円 未払消費税 1,200,000円

仮受消費税が1,600,000円で、仮払消費税が400,000円やから、未払消費税は1,200,000円な。

ということは、外注費として処理した場合の利益は、

21,600,000-5,400,000-1,200,000=15,000,000円 となる。

給与として処理した場合

ひで:次にこの経費を給与として処理した場合。

売上の処理は同じ。

売掛金 21,600,000円 売上 21,600,000円

次に経費の処理。これがちょっとややこしくなる。

給料を支払う時に、5,400,000円全額を支払うんじゃなくて、

源泉所得税と社会保険料の個人負担分を差っ引いとかなあかんで。

仮に源泉税を500,000円、個人負担分の社会保険料を700,000円にしとこか。

給与

5,400,000円

普通預金
預り金(源泉税)
預り金(社会保険料)

4,200,000円
500,000円
700,000円

ほんで、これに加えて、社会保険料の事業者負担分を追加。

だいたい社会保険料は個人と事業者で半分半分やから700,000円な。

法定福利費 700,000円 未払社会保険料 700,000円

最後に消費税の処理

消費税(販管費) 1,600,000円 未払消費税 1,600,000円

仮受消費税が1,600,000円で、仮払消費税が0やから、払わなあかん消費税は1,600,000円な。

ということは、利益を計算してみると、

21,600,000-5,400,000-700,000-1,600,000=13,900,000円 となる。

ほら、外注費で処理した時と1,100,000円も差が出る。

マネ:ほんまや、えらい違いやで。

ということは、スポット契約とか非常勤は全部外注費で処理しといたらお得ってことやな?

ひで:アカーーーン!!!

(次回へ続く)

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