帳簿にはゴミが溜まります
貸借対照表には知ってか知らずか、
ゴミ(のようなもの)が溜まっていきます。
思いつくところでは、売上債権、未収入金、前払金、
棚卸資産、仮払金、その他流動資産、その他流動資産など。
これらの勘定残高の中に、わかりやすい例で言えば、
・忘れ去られ放置された在庫
・回収が思うにいかず長い年月が経ってしまった売掛金
・支払ったものの焼却処理を忘れていた前払費用
・仮で入力した何か
いずれも、棚卸をきっちりやるとか、
債権管理を精緻に実施するとかしていれば、
発生しないはずのものですが、
所詮簿記なんていうのは人間のやることですから、
(AIの話は置いておいて)時間や費用の関係上、
大なり小なりどのようなどのような会社にも見受けられます。
特に、それらが勘定残高中の「その他」に含まれてしまっていると、
決算の時などにも目につかないため、
放置される可能性が高くなってしまいます。
上場会社であってもです。
むしろ 、会社の規模が大きければ大きいほど、
会計上無視できる金額も大きくなるので、
例えばトヨタにとっては50億円の放置資産が
ゴミ扱いされたりすることもあるわけです。
ゴミのようなものの活用方法
まぁ、上記のような話は会社の規模に応じた相対的な話ですので置いておくとして、
このゴミのようなもの、考えようによってはもしかしたら、
会社にとってラッキーアイテムかもしれません。
基本的に上場企業はステークホルダーに
年間の利益の額をコミットしており、
しかも「正確な」会計処理が要請されますので、
換金価値のないゴミ資産は、利益を痛める悩ましい存在です。
しかし、 会計上の利益の額にそれほどこだわりのない、
非上場の中小企業にとっては、税金を減らすお助けアイテムになり得ます。
未使用の放置在庫であれば適切に処分すれば、
売上債権であれば貸倒損失処理をすれば 、
前払費用であれば通常通り償却すれば、
問題なく経費として損金算入することができます。
もれなく完璧に帳簿を整えるは時間も費用もかかり大変ですが、
思い当る節のある方は、ご自身の会社の「その他」の中身、
少し探ってみませんか。
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