【利益額を重視せよ】利益が残らないを何とかする - ゼロからの経営分析入門(その4)

会計
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利益を増やす手っ取り早い考え方は「プラスワン」です。

昨日はExcelを用いた簡易的な損益分岐点分析をご紹介しました。
この手法を用いれば、自社の事業のある程度の立ち位置が見えてきます。

今日は立ち位置が見えてからの、「どう動くべきか」に対する一つの指針をご紹介します。

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限界利益を増やす3パターン

先日来の繰り返しになりますが、営業利益を増やすには、
売上数量×売上単価を増やす、1単位当たりの変動費を減らす、固定費を圧縮する、
大きくわけてこの3通りの方針があります。

そして、これら3通りのうち、「売上数量×売上単価を増やす」と
「1単位当たりの変動費を減らす」はいずれも結局は「限界利益を増やす」ための方策です。
何度も言いますが、営業利益を増やすには限界利益を増やさなければならないのです。

値下げを呑むべきか呑まざるべきか

ここで一つ単純な例をあげてみましょう。
あなたは車の営業マンです。扱っている商品は
プリウス(販売価格200万円・変動費140万円)と
オプションのカーナビ(販売価格30万円・変動費(仕入単価)21万円)です。

今、見込み顧客と商談が進んでおり、プリウス本体の方は200万円で商談が成立しました。
しかしカーナビに関して顧客は8万円の値下げ、つまり22万円での販売を要求し、
その要求が飲めないのならばカーナビは購入しないと突き付けてきました。

さて、あなたはこの顧客の要求を呑むべきでしょうか、呑まざるべきでしょうか。

問題になるのは限界利益”率”と限界利益”額”です。

もし値下げを受け容れたとすると、
売上は200+22=222万円、変動費は140+21=161万円で、
限界利益率は(222-161)÷222=27.5%です。

もし値下げを受け容れなければ、
売上は200万円、変動費は140万円で、限界利益率は(200-140)÷200=30%です。

値下げ要求を受け入れると限界利益率が下がってしまいます。
もしかしたら限界利益率30%を目標にしている上司に怒られてしまうかもしれません。

利益”率”じゃなくて、利益”額”

しかし、理論的な正解は明らかに「値下げ受け容れるべし」です。
なぜならば、カーナビはその名の通り「オプション」であり、
限界利益が発生する限り(今回の例で言うと、値下げ要求が21万円を下回らない限り)、
あるいはこのような安売りをすることによって、他の販売機会を失うとかの事情がない限り、
値下げを受け容れて限界利益”額”を増やすのが理論的には正解です。

もう一つ例を挙げてみましょう。
ラーメン1杯600円(変動費150円)、トッピングメンマ100円(変動費10円)、
トッピング海苔100円(変動費10円)というラインナップのラーメン屋さんが、
メンマも海苔もトッピングした、全部乗せラーメンを720円で販売するのは”有り”でしょうか。

これももちろん”有り”です。

お客さん側から見れば1つずつ頼んだら200円になるトッピングが120円で頼めて〇。
店側もノーリスクで2つ目のトッピングから”追加的な”限界利益10円を得ることができて〇。
となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。あくまで単純な理論上のモデルではありますが、
ご自身の感覚と一致していたでしょうか。

もし見た目の利益率に惑わされて販売機会を逃しているようなことがあれば、
一度↑のようなことを気にしてみてくださいね。

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