社長さんもサラリーマンのみなさんも知っておいた方がいいですよー。
内部統制超入門
内部統制とは何かご存知でしょうか。
人を雇って経営をしている社長さんや、ある程度の規模の会社にお勤めの方は
ご存知とは思いますが、なんのこっちゃらようわからんという方のために
すこーしだけ入門編をお届けします。
以下原田の言葉で書きますので、
基準(条文)の文言と違うやないかい、という突込みは何卒ご容赦ください。
内部統制というのは、以下の4つの目的を達成するために定められる業務上のルールです。
- 帳簿を正確に作成するため(適正な財務報告)
- 法令をちゃんと順守するため(法令順守)
- 会社の資産を守るため(資産の保全)
- 業務を効率的・効果的に進めるため (業務の効率化)
そして以下が上の1~4に対する内部統制の具体例です
- 届いた請求書を元に出金伝票を作成し、作った人と別の人が、金額・日付・勘定科目などがあっているかを確かめる
- 新しい下請け先との取引を開始するにあたって、購買部が定めた支払条件が下請け法に違反していないかどうかを、他のだれか(法務部とか)がチェックする
- 在庫の一斉棚卸を実施して、帳簿上の在庫金額と、実際に数えた在庫金額の差を詰める
- (内部統制の目的としては一番モヤっとしていますが、例えば)顧客情報をデータベース化して、全国どの支店からでも顧客対応ができるようにする
経営者の方のみならず、会社に勤めた経験があれば、
意識せずともやっていたことが含まれているのではないでしょうか。
ちなみに他にも基準上はもっと細かいことが色々あるんですが、
内部統制と言われた時にはだいたい↑のようなことがわかっていればもう中目録です。
内部統制は誰のため?
みなさん、以上を読んでみたどう思いましたでしょうか。
めんどくせーなーと思ったでしょうか。うむ、確かに必要でござる、と感じたでしょうか。
少なくとも、↑のような活動を、
こんなんもんいらんわーと思った方はあまりいらっしゃらないんじゃないでしょうか。
そうです、内部統制と聞くと、難しそうとかめんどくさそうとか思いがちなんでが、
その中身自体の必要性はわかっていただけるんではないでしょうか。
そして、その必要性というのは、実は経営者のみならず、
そこで働く従業員の方にとっても必要なのです。
経営者にとっての内部統制
まず、経営者にとっての内部統制ですが、こちらはすごくわかりやすいと思います。
経営者の役目は、極論してしまえば、「株主から預かったお金を増やすこと」です。
そのためには、
- 様々な投資や仕組みづくりをして、従業員が仕事をやりやすくし(上でいう4)
- 世間様に怒られないように法律を守る体制を整えて(上で言う2)
- 稼いだ資産やお金をうっかりなくさないようにして(上で言う3)
- 経営の結果がわかるようにちゃんと帳簿をつける(上で言う1)
ということが必然的に求められます。
従業員から見た内部統制
一方、従業員側からみた内部統制というのはいかがでしょうか。
つまり↑のようなことを経営者から「やらされる」わけです。
非常にめんどくさいですね。わかります。
業務の効率化の面はともかくとしても、そのほかの3つ、
法令順守と資産の保全と適正な財務報告については、
ただただ、だるい・めんどくさいと感じるのが普通でしょう。
しかし、従業員の側からも、内部統制を尊重すべき理由が2つあります。
1つは、従業員が内部統制を守らないと、
雇ってもらっている会社そのものがなくなってしまう可能性があることです。
例えば、食品を扱う業種で、食品衛生法を守っていなかったら、業務停止でしょうし、
重要な資産や大金がなくなってしまうと、営業が続けられません。
会計で嘘をついてしまうと、銀行から借入を断られて、
資金ショートして倒産してしまうかもしれません。
2つ目は、内部統制を順守することで自分自身の身を守ることにあります。
例えば、売上を計上する根拠として、お客さんの受取サインを必要としている会社において、
とある営業店では、Aさんはちゃんとルール通りにやっているのに、
他の人は だーれもそのルールを守っていない。そんな中、何かの折に、不正な売上、
つまりお客さんに商品を渡していないのに売上を計上しているものがあることが判明しました。
そうするとその営業店の営業マンは全員が同じことをやっているのではないかと
疑われるわけですが、普段からルールを守っているAさんは明らかに免責されるわけです。
つまり内部統制を順守することが自分の身を守ることになるわけです。
というわけで、内部統制っていうのは、確かにだるいのは確かなのですが、
社長さんもサラリーマンのみなさんもちゃんと意識しといた方がいいんですよ(にっこり)。
自分の会社、ちゃんとできてるか心配やなーっていう人は原田に相談してくださいね。
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