数字と向き合うのも「経営」です。
モノ・サービスを売るだけが経営ではありません。
「数字と向き合う」ということ
事業を営むにあたって、「数字」から逃れることは不可能です。
どのような業態であっても、どんな零細であっても、
どれほど革新的な製品・サービスを扱っていても。
須らく事業者は、売上と売上原価・経費を集計し、残ったお金を計算し、
そこから適切に税金を払って最終利益を確定させなければなりません。
そして、その結果から、過去の1年間、1ヶ月の事業経営がどうだったのか、
例えば売上に関して言えば、売上は予定通りだったのか、ビハインドだったのか、
予想を上回る規模だったのか、予定通りでなかったのならば、
その原因は、営業マンが不足していたからなのか、
強力な競合の出現なのか、市況が悪かったのか。
経費でいえば、人件費は売上規模に対して適正な水準だったのか、
交際費や広告費の費用対効果は十分だったのか、
売上に結びついていない無駄な経費はなかったか、
などなど分析すべきことはたくさんあります。
そうしないと、次の1年間、次の一ヶ月でどのように動くべきなのかを、
決めることができないからです。
PDCAなんていう洒落た言葉もありますが、
そんな言葉を使わずとも、要するにそういうことです。
経営・会計リテラシーの現実
経営者のみなさんにとってはそんなこと百も承知と思われるかもしれませんが、
一方で、言うは易し行うは難しで、時間的な制約により、
十分な分析が実施できなかったり、経営分析にありがちな
「何が正解かわからない」といった状況に陥ることも少なくありません。
事実、売上規模が100億円を超える大企業ですら、
適切な経営分析が実施できておらず、売上至上主義に陥ってしまっており、
手元にお金がなかなか残らないというようなケースも珍しくありません。
1番理想的なのは経営者も含め、すべての従業員が
経営ないし会計の素養を高めることですが、なかなかそれは現実的ではありません。
経営も会計も一つの学問であり、一朝一夕にマスターできるものではないからです。
そうでなければ原田のような税理士や公認会計士は必要ありません。
しかし他方、事業経営者にとって1番重要なのが、
もの・サービスを創造して売るということであるのもまた事実です。
良いアイデアが浮かんだから起業してみようということはあっても、
簿記が得意だから起業してみようということにはならないからです。
ただ、学問レベルで経営や会計をマスターできずとも、
事業経営に最低限必要な考え方はやはり、一通り学んでおくべきだと思います。
例え、分析結果から導かれる理想論が、現状とかけ離れていたとしても、
数字から見たあるべき事業経営の姿をわかっているのといないのとでは大違いです。
説教臭くなってしまい非常に恐縮ですが、原田が一人の専門家として、
少しでも経営者さんの力になりたいと思う所以ですのでどうかご容赦ください。
今回は総論ということで、経営分析の必要性、専門性について、つまらない話をしましたが、
次回は各論として、専門的すぎない経営分析の一手法をご紹介いたします。
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