原価厨へ告ぐ -”元を取る”という考えから脱却すべき理由-

会計
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物を買うとき、その目に見える範囲の”原価”だけを見て、

買うか買わないか、コスパがいいか悪いか、損か得かなどと考えることに意味はありません。

出来上がりの商品そのもの、すなわち商品から得られる満足度を見て、

その満足度と商品に支払った金額とが釣り合っているかが重要なのです。

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原価厨の思考

原価厨とは商品の原材料価格だけを見て損得を判断する人のことを言います。

例えば以下のような考え方をします。

コンビニ弁当は安い材料で作られていて量も少ないから買うべきではない
服の生地代なんか安いものなのだから、
有名ブランド品というだけで高額な服を買うのは無駄
化粧品の原価は数十円なのだから、何万円もする化粧品はぼったくりだ

これらの例はいずれも”前半”はまぁ正しいことを言っていると言ってもよいでしょう。

コンビニ弁当の材料が安いのも、量が少ないのも、

有名ブランド服の商品価格に占める生地代が小さいのも、

化粧品の原材料価格が100円未満なのも。

だからといって、それらがぼったくりであったり無価値であったり、

というのは誤った考えです。

決定的に間違っているのは、

“付加価値”という概念がすっぽり抜け落ちている部分です。

原価厨に伝えたい、付加価値という概念

付加価値というのは、その商品を消費者の手に届けるために要したあらゆる費用です。

商品の値段は以下の通り分解されます。(厳密ではありませんがご容赦ください)

商品の値段=材料代+付加価値
付加価値=人件費+家賃+減価償却費+支払利息+税金+利益

つまり付加価値というのは、

“もし消費者が、材料を仕入れて自分で商品を作ろうとした時にかかる費用+α(利益)”

なのです。

原材料だけ手元にあっても、商品を生み出すことはできません。

商品を完成させるには、上で述べたような、

人件費(手間賃)や場所代、機械代などがかかってきます。

しかもそれを一人でやるとなると、

会社が専門的に作ってくれるよりずっとずっと割高になってしまい、

専門的に安く作ってくれるからこそ生じるプレミアムとしての利益は出ません。

誤解を恐れずに言えば、付加価値とは”手間賃”です。

自分がやったら大変だから、だれか代わりにやってくれよ。

その分手間賃あげるからということです。

見るべきは商品全体から得られる満足度

コンビニ弁当も、有名ブランド服も、高級化粧品も、

原材料そのものは非常に安価かもしれません。

しかし、いずれもそれらの商品を生み出すためには、

色んな人が企画し、研究し、製造し、営業し、といった手間が必要です。

そういう”お手間”をぜーんぶ含めての商品価格です。

なので、消費者が見るべきは、原材料価格ではありません。

見るべきは商品そのものから得られる満足度が、

支払った金銭と釣り合っているかどうかの一点です。

コンビニ弁当は、仕事で疲れて家に帰ってきて、料理をするのもだるい時に、

サササッと買ってたべられるその利便性が満足度に直結します。

有名ブランド服は、生地代は安かったとしても、

そのブランドから得られる、他人の信頼や自分のテンションアップです。

高級化粧品は、100円均一の化粧品と違って、肌への影響や、

化粧崩れのしにくさ、色艶の良さなどでしょうか。

そういった、人の手によって生み出される付加価値に我々はお金を支払っているのです。

なので、もう”原価”がどうのこうの言うのは是非やめにしましょう。

※極端な話、今私が使っているこのSurface Book2も”原価”だけで言えば、

数リットルから数十リットルの原油と、

少しばかりのレアメタルやレアアース、

あとなんぼかのガラスの値段じゃないですかね。

たぶん。知りませんが。

考えるのも馬鹿馬鹿しいですよね。

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