【廃棄を】在庫負担リスクが大きいなら機会損失は無理して避ける必要ないですよ【最小化】

ビジネス
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事業運営上、在庫をどの水準で維持するかというのは、利益を大きく左右する意思決定の一つです。

機会損失は恐れずに、もし仕入量を増やすなら、自社の商売の特性、顧客数のブレ幅、商品の利益率、追加的な人件費・広告料・倉庫料のことなどを総合的に勘案してペイできるかを、予めちゃんと試算しておくべきです。

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機会損失とは

機会損失とは本来は売れるはずだったのに、何らかの事情により、売上とすることが出来なかった状態を指します。

もっとも代表的なものは商品の欠品です。

売価1000円の商品を100個用意して開店したのですが、閉店2時間前に100人のお客さんが来てしまい、閉店までの間に来てくれたお客さんには泣く泣く帰ってもらったというものですね。

もし、帰ってもらったお客さんが20人いたのならば(1000円-商品原価)×20で計算される金額が機会損失です。

サービス業でも同じように考えます。

例えばマッサージ屋さんで、ベッド数10床、一人あたり施術時間が1時間、営業時間が10時間、とした時、このお店では1日当たり100人分の売上がMAXです。

100人以上お客さんが来ても断るしかありません。

こちらの場合は商品としての仕入はありませんが、120人来てくれていたとしたら、

(20人×施術単価)から20人を捌くための追加的な人件費を差し引いたものが機会損失の額です。

言ってしまえば、機会損失は取れるはずだった利益を取れなかった後悔の大きさを数値化したようなものです。

売れ残り在庫負担とは(一般的な用語ではありません)

続いて、売れ残り在庫負担を、説明します。

在庫は売れ残ったら、また明日・翌月に売るチャンスがあります。

しかし、賞味期限切れやトレンドアウトで廃棄するしかなくなったら、その商品の購入代金はまるまる損失となります。

また、廃棄するにも廃棄にはお金がかかります。

仮に売れ残った在庫がそのうち売れたとしても、売れるまでの間は倉庫かどこかに保管しておく必要があるので、保管料・倉庫料といったお金がかかってきます。

マッサージ屋では売れ残りという概念はないですが、人件費を仕入と考えると、暇で手待ちになった従業員に支払う人件費は言うなれば売上に結びついていない損失といってもいいでしょう。

欠品したら機会損失、売れ残ったら廃棄損失・保管料

では、経営の現場では在庫をどのようにコントロールしたら良いでしょうか。

多く仕入れすぎたら廃棄損失や保管料負担のリスクが大きくなり、仕入れが少なすぎたら、欠品による機会損失のリスクがあります。

当然一番いいのは、″売れる分だけ仕入れる″であることに議論の余地はないでしょうが、そんなに上手くいかないのが世の常ですので、どこかで落とし所をつけて、仕入量を決めなければなりません。

機会損失を選ぶのがおすすめ

私がこの機会損失か在庫負担かという選択を迫られるのであれば、断然機会損失の方を選びます。

欠品しようが、施術者が足りなかろうが、泣く泣くお客さんに帰ってもらうことを選びます。

なぜか。

それは、供給よりも需要が多い状態の方が、売り買いの局面で売り手が優位に立てるからです。

需要が供給よりも多ければ、それだけ営業の負担が減ります。

営業の負担が減るということは人件費も減るということです。

また、値下げをして無理して買ってもらう必要もありません。

追加的なお客さんを呼ぶために広告を打つ必要もありません。

つまり、欠品状態というのは、ある種の希少価値というプレミアムができている状態に他なりません。

人は希少価値にすごく弱い生き物です。

商品の数が少ないとわかっていると、余計に欲しくなります。

仮にそのようなプレミアムを生み出すことができたら、値上げをすることも出来ます。

在庫負担を回避しつつ、売上アップも考えられるわけです。

一方、仕入れを増やすことによる売上アップは種々のリスクが伴います。

上記の裏返しですね。

営業マンも増やさないと行けないですし、広告も必要になるかもしれません。

売れ残ったら値下げか廃棄です。

客側から見たら、どちらがより魅力的なお店に見えますかね?

というわけで、私なら機会損失を選びます。

特に利幅の薄い(粗利率の低い)商品なら、尚更です。

仕入れ単価90円、売価100円の商品が、もし1個売れ残ったとしたら、9個分の売りがパーになりますので、欠品がどれくらい続いていたのかという時間情報や、自社の粗利率と売れ残り在庫負担の大きさを斟酌して、いい感じの仕入れ量を決めてくださいね。

原田がお手伝いさせて頂いてももちろんいいですよ(* ॑꒳ ॑* )

※巷では本論とは逆に売れ残り在庫を恐れるなという論調も多く繰り広げられています。

もちろん、業種によっては廃棄ロスが前提となっているビジネスモデルもありますので、これはどちらが間違っているという話ではありません。恒常的に欠品が見込まれる商品があるなら、それは当然仕入れ量を増やすべきところです。

私が言いたいのは機会損失を避けたいがために、盲目的に在庫量を増やすことはしてはならないですよということですので、お間違えなきようお願いいたします。

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