こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第4話をお届けします。
前回は基本的な仕訳の読み方をご説明しましたが、
今回は少し”ちゃんとした”仕訳のルールのお話です。
といってもそんなに難しいルールはないので、
ふーんという感じで慣れていってくださいね。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
前回のお話

基本が一番大事
ひで「よし、じゃあ仕訳がなんとなーく読めるようになったところで、
仕訳のルールの確認な。
何事も基本が大事。パレートの法則やで。」
マネ「なんやねんパレートって。踊りだすんか?」
ひで「それはパレードな。ボケは俺が担当するから、役目取らんといてくれ。
パレートの法則っていうのは、通称2-8の法則や。
上位2割が全体の8割をカバーしてるっていう考え方な。
例えば、世の中のすべての財産の8割を、2割の人が占有してるとか、
労働の成果の8割は、労働時間の2割から産み出されてるとか。
それとか、このブログもアクセスの8割が、全記事の2割に集中してるとか。
まぁ、ええわ、超余談やったわ。とりあえず基本が大事。」
マネ「ほんで、仕訳のルールってなんやの?」
ひで「今から説明するがな。」
取引の内容によって借方か貸方かが決まる
ひで「まず、前回説明したことのおさらいな。
簿記には資産・負債・純資産・費用・収益っていう5つの要素があって、
それぞれにホームポジションがあるって言う話。もう覚えたか?」
マネ「資産と費用が借方で、負債と純資産と収益が貸方やろ?」
ひで「その通り。
ほんで、取引の内容を見てみて、資産か費用が増えてたら借方(左)に書く、
逆に資産から費用が減ってたら貸方(右)に書く。
負債と純資産と収益は、増えてたら貸方(右)に書く、減ってたら借方(左)に書く。
初めて習うとほんまにややこしいから、ここはしっかりな。」
貸借は必ず一致
ひで「次に貸借一致のルール。
これは仕訳を書いた時に借方の金額の合計と、
貸方の金額の合計は必ず一致するっていうルールな。」
マネ「なんか当たり前みたいに聞こえるけどな。」
ひで「そうやねん。当たり前の話やねん。
やからこそ、貸借が一致してないってなったら、
どっかで何かを間違えてるってことやねん。」
マネ「あー、なるほど。」
ひで「実は、この貸借一致っていうのは、仕訳だけやなくて、
簿記の世界のほとんどのところで通用するルールなんやで。
例えば、貸借対照表な。

借方と貸方の大きさ一緒やろ?
これな、いつも絶対!一緒やねん。
英語で貸借対照表のことを”Balance Sheet”(バランスシート)って言うんやけど、
借方と貸方が”釣り合ってる”からバランスなんやで。
損益計算書も、貸借不一致に見せかけて貸借一致
費用+利益=収益
っていう式が成り立ってるからな。
というわけで、仕訳を切る時は、
必ず貸借が一致してることを確認すんにゃで。」
マネ「ハイヨロコンデー」
取引を記録するのは、 資産・負債・純資産・費用・収益が増減した時だけ
ひで「いきなりですがマネさん、問題です。」
マネ「ホワッツ!?」
ひで「不動産屋さんとの間で3か月後に土地を10万円で買うという契約をしました。
さて、どういう仕訳になるでしょーか?」
マネ「えーと、土地が3,000万円でー、まだお金払ってへんからー、
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こうか?」
ひで「ブビー。土地を買うんは3ヶ月後やろ?
まだ今の時点では、土地は自分のものちゃうやろ?
ほんなら、資産に土地計上したらあかんやん。」
マネ「えー、ほんならどうすんねんな。
![]()
こうか?」
ひで「そんな勘定科目あるかいな。
実はな、意地悪してん。
この答えはな、”仕訳無し”が正解。」
マネ「は?ふざけんな、ボケ。」
ひで「いや、真面目な話してんねん。
簿記で記録せなあかん取引っていうのはな、
資産・負債・純資産・費用・収益が動いた取引だけやねん。」
マネ「は?????」
ひで「つまりな、3ヶ月後に土地を買うって言う契約は、
それ自体は有効なんやけど、
3ヶ月たたんと土地もお金も動かへんやろ?」
マネ「確かに。」
ひで「やから、実際に3か月後になって、
土地の受け渡しが終わって、
お金払ってねっていう段階になって、
初めて仕訳が必要になんねん。
逆に取引っぽくなくても、さっきの5要素が動いたら仕訳切らなあかんねんで。」
マネ「例えば?」
ひで「例えば、倉庫が火事にあって在庫が燃えたとか、
従業員に金庫のお金を持ち逃げされたとか」
マネ「はーん、なるほどなー。」
すべての取引をお金に換算
ひで「ほんで最後に、このお金に換算の話な。」
マネ「これも当たり前に聞こえるけどなー」
ひで「まぁそうなんやけどな。
簿記ではすべての取引に値札を付けんねん。
やから、時々不思議なことが起きる。
例えば、そやな、塩を作る会社があったとして、材料として
海のど真ん中で海水をくんできたとしたら、どう仕訳する?」
マネ「そんなん値段のつけようがなくない?」
ひで「そう。値段付けられへんねん。
タダ。やから仕訳無し。
ほんなら、これはどう?
友達からロレックスの腕時計をもらいました。」
マネ「それも値段のつけようがないから、
仕訳無しでええんちゃうん?」
ひで「はいブビー。
これは値段が”付けられる”。
誰でもタダでGETできるものは価値がないけど、
時計みたいに、価値のあるものは、無理やり値段をつけなあかんねん。」
マネ「う、うーーーん。なんか納得できるようなできひんような。」
ひで「まぁ、今の段階では、何でもお金に換算する、とだけ覚えといたらえーわ。」
(次回へ続く)

  
  
  
  

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