【第26話】一年間の税金の処理の流れを知っておく

猫と学ぶ簿記超入門物語
この記事は約5分で読めます。

こんにちは原田です。

猫と学ぶ簿記超入門 第26話をお届けします。

事業主さん、社長さん、税金好きですか?

好きな方はいないかもしれません。

いないかもしれませんが、事業を営んでいる以上、

税金は避けて通れません。

なので、好きにはなれないかもしれませんが、

知識としてはちゃんと知っておきましょう。

 

登場猫物と登場人物

原田会計の招きネコ、マネ

原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)

前回のお話

【第25話】租税公課に含まれるのは、法人税等以外の全部です
税金は税理士に任せておくもの? いえいえ、そんなことはありません。 そもそもどういう税金があるのかということは 事業主側も知っておかないといけませんし、 税理士が直接関与しない税金もあるからです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

“税金が好きじゃない”の正体は?

マネ:税金かぁ。

ひで:何を感傷に浸ってんにゃ。

マネ:いやぁ、昨日税金の話してたやろ?

ほんで、租税公課の方はまあええねん。

こんだけ払ってねっていう請求書みたいなんが勝手にくるから、

それに従って払って、勘定科目を間違えへんように記帳するだけやから。

せやけど、肝心の法人税等の方はやっぱりなかなか好きになれへんっていうか。

ひで:あぁ、まぁわからんではないなぁ。

税金が好きな社長はなかなかおらんわ。

ちなみにどういう点が好きになれへん?

マネ:なんかよくわからへんねんな、それが。

ひで:そやなぁ、おれが思うに”税金が好きじゃない”には2種類あんねん。

税金なんか払いたくない!

ひで:1つ目は、”税金払いたくない!”の好きじゃない。

これはもはやモラルの問題やから、おれにもどうしようもない。

まぁ、どうしようもないっていうか、

クライアントが”税金払いたくない”って考えてる社長やったら、

税理士としては、”税金を払わなあかん”っていうことは、

社長の事業が順調っていう証拠なんですよって言う風に、

諭していかなしょうがないねんけどな。

マネ:いや、税金は普通に払わなあかんやろ。

ひで:そう言ってしまえばそうなんやけど。

税金を払うっていうことは、専門的に言うと”財産権の侵害”やねんな。

自分が汗水垂らして稼いだお金の何割かを

国に強制的に持っていかれるっていうのは、

強い抵抗感があって普通やとおれは思うねん。

やからそこんところについては、気持ちよく税金払ってもらえるように

国がみんなに納得してもらえるような税金の使い道を示していかなあかんわな。

マネ:うーん、そういうもんかー。

おれは社長ちゃうしやっぱりその辺の感覚はわからんにゃろな。

税金はよくわからん!

ひで:もう一つの”好きじゃない”は、

“よくわからんから好きになれない”の好きじゃない、な。

マネ:あ、こっちはすごいわかる。

なんか、税金ってよくわからへんねん。

好きじゃないっていうか、苦手意識っていう方が強いかもなー。

ひで:それもわかるなぁ。

税金ってやっぱり専門的やん?

だからおれらみたいな税理士がいるわけで。

マネ:なんか、世の社長さんたちが、

税金のことを税理士に丸投げしてしまうのもわからんではない気がする。

ひで:基本的にはそれでええねん。

細かい税金の計算なんか知ってなくてもいい。

た・だ・し。

マネ:ただし?

ひで:細かい計算は知らなくてもいいけど、

知っといた方がいいことはある。

マネ:それはすなわち?

ひで:税金のスケジュールやな。いつ税金を納めなあかんのか。

マネ:なんで知っとかんとあかんの?

ひで:資金繰りの問題に関わってくるからな。

社長の悩みごとのTop3に常にランクインするのが資金繰りや。

1年間の法人税等のスケジュール

マネ:具体的にはどんなことをわかっといたらええの?

ひで:3月決算の法人の場合で説明するで。

まず、法人税と住民税と事業税の場合は、

支払い時期が年に2回ある。

1回目が中間納付な。予定納付、略して予納ともいう。

国としては年1回の納税やと不安やから、

2回に分けて納税してほしいねん。

納税時期は11月末で、納税額は前期の納税額の半分。

つまり、当期の業績が超絶悪くても、

11月末の段階では、前期の決算と同じ水準で税金を前払いしとかなあかんねん。

マネ:超厳しいやん。

ひで:だから資金繰りに影響があるって言うてんねん。

ほんで、2回目が5月末。ここが確定の支払いな。

3月末で決算を締めて1年分の税金を計算するやろ?

そこから、予納で支払った税金の額を引いて、残りを払うねん。

マネ:前期の確定納税額が200万円で、当期の予納額が100万円、

当期の確定納付額が70万円やったらどうなんの?

ひで:もちろん30万円返ってくる。

マネ:あーよかった。

ひで:そらそうやろ。

あと、5月末に確定の支払いをするって言うたけど、

届け出をしとけば6月末まで待ってもらうことも可な。

仕訳の例も説明しといた方がええかな。

まず、前期の確定納付額が200万円、当期の確定納付額が170万円の場合。

予納(11月末まで)

仮払法人税等 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

決算

法人税等

 

1,700,000円

 

仮払法人税等

未払法人税等

1,000,000円

700,000円

確定納付(5月末もしくは6月末まで)

未払法人税等 700,000円 普通預金 700,000円

次に前期の確定納付額が200万円、当期の確定納付額が70万円の場合。

予納(11月末まで)

仮払法人税等 1,000,000円 普通預金 1,000,000円

決算

法人税等

未収還付法人税等

700,000円

300,000円

仮払法人税等

 

1,000,000円

 

還付(確定申告後1ヶ月弱~2ヶ月後)

普通預金 300,000円 未収還付法人税等 300,000円

ひで:こんな感じ。

もっと細かいこと言うたら、還付加算金とかいろいろあんねんけど、

そんな細かいことにはこだわらんと、

11月末に去年の半分、5月末に確定納付って覚えといたらええんとちゃうかな。

マネ:これぐらいやったら覚えてられるな。

(次回へ続く)

【第27話】1年に一回は棚卸を実施して在庫の状況を把握するべし
こんにちは原田です。 猫と学ぶ簿記超入門 第27話をお届けします。 今回のテーマは棚卸。 棚卸は会社にとって一大イベントです。 工場や倉庫を止めないといけないですし、 手間も時間もかかります。 それでも棚卸は実施しないといけない...
スポンサーリンク
スポンサーリンク
京都市の税理士・公認会計士事務所 原田会計のご紹介
10年を超える監査の経験で培った会社の経営分析能力を活かし、親しみやすい人柄で経営者さんの悩みを総合バックアップします!
売上が伸びない、利益が残らない、税金のことで相談したい、内部管理体制をしっかりしたい、資金管理が心配、といった悩みをお持ちの経営者さんは是非一度、原田会計までご相談ください。
詳しいプロフィールやサービス内容、お問い合わせはHPへお越しください。
猫と学ぶ簿記超入門物語
ストレスフリーで生きていく

コメント

タイトルとURLをコピーしました