こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第10話をお届けします。
勘定科目の説明が終わり、今日からは実務的な仕訳の切り方に移ります。
簿記の教科書を見ていると、勘定科目と金額ぐらいしか
記載していないことが多いのですが、
実務的には他にも考えないといけないことがいくつかあるので、
どういうところを気にしておかないといけないのかをご説明します。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
前回のお話
ひで:さーてと、やっと勘定科目の紹介終わったから、
今日からは実務的なところに入っていくで。
マネ:やっとやんけ。10日も経っとるがな。
ひで:その分今日からの説明がぐっと楽になるんやで。
いちいち勘定科目の説明せんでええからな。
ほんで、今日のテーマなんやけど、”仕訳”な。
マネ:仕訳って今までも出てきたやん?
ひで:あー、もちろん勘定科目と貸借(借方/貸方)の話はしてきたんやけど、
今日はもっと具体的な実務での仕訳の切り方な。
マネ:といいますと?
ひで:勘定科目と貸借以外にも考えんとあかんことがあるっていうこと。
仕訳を切るってそもそもどういうこと?
ひで:仕訳を切るって、そもそもどういうことかわかるか?
マネ:え?だから勘定科目と貸借と金額を記入することやと思って、
今まで猫生を歩んできたんやけど?
ひで:あんな、仕訳を切るっていうのは、
“現実世界の取引を、会計の世界に落とし込む“っていう作業なんやで。
マネ:あー、なるほどなー。確かに勘定科目と貸借と金額だけでは、
何か現実の取引を言い表すにはもの足らん気がするわ。
ひで:そういうことよ。
ひで:ほな、仕訳の基本要素を先に言うとくな。
- 勘定科目
- 貸借
- 金額
- 日付
- 消費税区分
- 摘要
ひで:新しく出てきたんは下の3つやけど、上の3つから説明するで。
勘定科目は一つには定まらない
まず勘定科目な。
マネ:え?そんなん取引から考えたら勘定科目なんか一発で決まるんやろ?
ひで:それがどっこい、そんな簡単なもんばっかりちゃうねん。
1つ例を挙げてみよか。
ひで:この取引、どう仕訳で表す?
マネ:ん?そんなん、こうやろ?
ひで:間違いではない、が、正解とも限らない。
マネ:は?意味わからん?
ひで:つまりな、一つの取引でも、
ただ一つの勘定科目が対応するとは限らんのよ。
例えば、今の例で言うと、
この2つの可能性が考えられる。
器具及び備品は固定資産で、消耗備品費は費用な。
会社として、5万円はお安いので、
固定資産扱いせずに、費用で落としてしまうこともできるし、
高いか安いかは考慮せずに、長年使うもの=固定資産とする、
っていう考え方もある。
つまり、取引をどう仕訳に表すかっていうのは、
仕訳を切る人の”判断”が入ってくるっていうこやねん。
マネ:むー、ここでも出ますか。判断。
ひで:前も言うたけど、会計っていうのは判断の産物やからな。
議論が分かれるから、学問としても成り立ってるんやで。
というわけで、1つ目、勘定科目で何が言いたかったかっていうと、
勘定科目は必ずしも一意に決まるもんやないんやでってことな。
マネ:はい、よくわかりました。
貸借には判断は入りません
ひで:次、貸借。
まぁ、これはええと思うわ。前にも説明した話がわかってれば。
資産・費用が借方に来たら増加、貸方に来たら減少。
負債・純資産・収益が貸方にきたら増加、借方に来たら減少。
これは厳密なルールな。
マネ:これはほんまに慣れやな。
最初はいちいちこっちがこっちでってやってたけど、
もうホイホイホイっていう感じ。
金額も実は一意には決まりません。
ひで:3つ目、金額。
マネ:これこそ、決まり切ってるやろ???
ひで:それがそうでもないんやなー。
マネ:うっそ、まじでか。
ひで:例えばそやな、貸倒引当金の話覚えてるか?
マネ:売掛金の内、回収できひん部分のことやろ?
…あ!そういうことか!
回収できひん金額がいくらかっていうのは、
ばっちりはわからんってことやろ?
ひで:そういうこっちゃ。
100万円の売掛金の内、回収できひんと思われる金額を、
”見積もって”
貸倒引当金を計上するわけや。
最終的にいくらが貸倒れるかなんか、誰にもわからんからな。
ただまぁ、普段のほとんどの取引の場合は、
金額がわからんってことはほぼないやろから、その点は心配せんでええよ。
さ、ちょっと長くなってきたし、続きは明日な。
(次回へ続く)
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