こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第23話をお届けします。
事業経営が軌道に乗ってくるとアルバイトや従業員を雇い入れるでしょう。
そうなるともちろん給料を払うことになりますが、
その際には従業員の税金や社会保険料のことを考えておかないといけません。
登場猫物と登場人物
原田会計の招きネコ、マネ
原田会計代表、公認会計士の原田(以下ひで)
前回のお話
振込額が合わない!なんで!?
マネ:なぁ、今月からおれの給料、ちゃうちゅーるじゃなくて、
現金支給になったやんか?
ほんで、タイムカード見ながら給料の計算してたんやけど、
なんか振り込まれてる金額少なくない?
ひで:そらそうや。給料全額が振り込まれるんとちゃうで?
マネ:なんでや、せっかく働いたのに。
ひで:日本国民の三大義務って知ってるか?
マネ:勤労・納税・教育やろ?
ひで:そう、納税。日本国民はみんな税金払わなあかん。
マネ:おれ猫やし。
ひで:( ◜◡◝ )
マネ:( ◜◡◝ )
源泉徴収制度とは
ひで:でな、納税せなあかんねん。
ほんで、日本の所得税は”申告納税制度”っていうて、
個々人が、年に1回確定申告で、
「自分の納税額はこんだけですよ」
って言う風に、国に申し出るわけよ。
マネ:ほうほう。
ひで:せやけど、そうは言っても国からしてみたら、
1年に1回しか納税してもらえへんかったら何か不安やない?
ほんまに納税してくれんのかなー、みたいな。
ほんならどうしたらええと思う?
マネ:毎月の給料から納税してもらう。
ひで:正解。そういうこと。
マネ:あはーん。そういうことかー。
ひで:要するに申告納税制度で、国民一人一人に自分で計算してもらって、
国がいちいち計算する手間を省くと同時に、
税金のとりっぱぐれが無いように、
毎月の給料から確実に払ってもらうっていう仕組みになってるわけよ。
これを源泉徴収制度という。
つまり、給料の払い元である事業主が、給料から税金を差っ引いて、
従業員の代わりに納税してあげるっていう制度やねん。
マネ:へー。ほなまぁ、しゃあないなぁ。
源泉税は預り金でプールして、後から納税
マネ:税金はちゃんと払わんとあかんとして、
帳簿にはどうやって付けといたらええの?
ひで:さっきも言うたように、
事業主は払うべき給料から税金を差っ引いて、
従業員の代わりに納税するわけや。
例えば、扶養家族がおらん従業員に20万円の給料を払うとしたら、
1,750円を差っ引かなあかん。ただしこれは2019年の場合な。
仕訳にするとこうなる。
給料
|
200,000円
|
普通預金 預り金 |
198,250円 1,750円 |
マネ:従業員に払われる額は実際には198,250円で、1,750円は預り金か。
預り金っていうことは負債やな?
ひで:そうや。どういう負債かっていうと、
後々、国にたいして払わなあかん1,750円やでっていう意味の負債な。
やから、給料を払った月の翌月10日までに1,750円を国に納税せなあかん。
預り金 | 1,750円 | 普通預金 | 1,750円 |
これ、納め忘れてる会社めっちゃあるから、激烈注意な。
納期限を1日でも過ぎたら罰則あるしな。
ところで、上の2つの仕訳を合わせて考えてみ?
マネ:合わせて?こう?
給料 | 200,000円 | 普通預金 | 200,000円 |
ひで:そう。
結局、事業主(会社)からは20万円のお金が出ていってるだけっていうのがわかるやろ?
マネ:あー、なるほどな。従業員の税金を肩代わりしてるだけやから、
事業主(会社)の損益には何の影響も無いんやな。
ちなみに、この1,750円っていうのはどうやって計算すんの?
ひで:計算しない。
源泉徴収税額表っていうのがあって、
給料の額と扶養家族の人数とかから自動的に決まるねん。
マネ:へー。こんなものが。
ほんなら、もし今後おれ以外に従業員が増えて、
給料払うことになったら、これ見ながら処理したらええんやな?
ひで:そういうこと。頼むで。
(次回へ続く)
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