売上至上主義のあなたに(各論)-基本は営業利益です-

会計
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経営分析初めの第一歩昨日は経営分析の重要性について、ざっくりとお話させていただきました。

そうはいってもじゃあどこから始めればということになるかと思いますので、
今日は具体的でシンプルな経営分析の手法をご紹介致します。

その手の本を手にとっていただければわかりますが、巷には様々な経営分析手法が溢れています。

しかし、多くの経営者さんは、経営・会計の本ばかりを読んでるわけにもいかないですし、
小難しい理屈をマスターする必要もありません。経営者の仕事のイの一番はそこではないのです。
ですので、経営者さんにはぜひともツボを押さえた経営指標を知っておいてほしいと思います。

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売上だけ見とけばいいんじゃね?いえ、それはまずいっす社長。

売上を経営指標にしている経営者さんは非常に多いと思います。
売上は事業の規模を直感的に示す指標です。
売上が何千万円です、何億円です、何十億円ですというだけで、
おおよそのその会社の規模がわかり、社会的な意味での信用がある程度測れます。
なぜならば売上を大きくするには時間と投資を、継続的に積み上げなければならないからです。

上記の話からお気づきかもしれませんが、
売上というのはどちらかというと外向きな指標なんですね。
売上が内部管理指標として有効なのは、売上という指標が、
経営者が求める会社の姿に直結している場合に限ります。

例えば、仕入単価と売上単価が常に一定で、
売上数量を増やせば増やすほど、正比例で利益も増える場合です。

具体的には、営業マンが不足していて、
機会損失(売れるチャンスをみすみす逃してしまっている状態)が発生しており、
営業マンを増やしたら増やしただけ、同じ調子で売上が増えるような状況においては、
売上を指標にしてもさして問題はないでしょう。
逆に言うと、そういう場合以外においては売上だけを指標にしていては危険なのです。

じゃあ粗利(売上総利益)は?うーん微妙。

売上だけを指標にしていては危険な理由は、利益がとれているかどうかがわからないからです。
売上だけでは駄目。ではどうすればいいか、ということで次にくる指標が粗利です。

粗利とは、売上から売上原価を引いたものです。
売上原価は物やサービスを作るのに使った原材料費、労務費(人件費)、諸経費からなります。
(「原価」という言葉を使う時に、原材料費の事だけを考えるのは駄目ですよ。)

粗利は売上と違って、基本的には大きければ大きいほど良いとされています。
というより、モノやサービスを売る時・値決めをする時には、
粗利が確保できるように売らなければなりません。
そうでないと、苦労して売れば売るほど赤字になるからです。

では肝心の経営者さんが粗利をメインにウォッチしておけばいいかというと、
売上よりはいいかもしれませんが、依然として微妙です。

というのも、粗利は売上-売上原価で求めると書きましたが、売上と売上原価、
すなわち会社の「営業部門」と「製造部門」・「仕入部門」の成果を表すことはできても、
それ以外の管理部門等の成果を表すことはできないのです。

粗利は管理部門の成果を含んでいないということは、逆に言えば、
粗利は経営者が1番に見るべき指標というよりは、
営業マンの成果を測るのに適していると言えます。
なぜなら、予め定められた売上原価をベースにどれだけ高値で売ってこれたかと示すからです。

じゃあ、営業利益!もうこれでええでしょ!

それでは、いよいよ経営者が見るべき指標は何なのかという話になりますと、
次の候補として営業利益が挙げられます。

営業利益は粗利から、販売費及び一般管理費、すなわち
通常の事業に要したすべての費用を差し引いて計算します。
人件費、法定福利費、福利厚生費、広告費、運賃、交際費、通信費、租税公課、減価償却費等々、
売上原価以外のすべての通常の事業費用です。

ということは営業利益は、通常の事業から得られた最終の利益の額を表します。
一般的には営業利益が増えていれば、会社的にはもしくは経営者的には◎と言われます。

やっと結論が出ましたね。経営者さんは営業利益を見ておけばいい!

とはならないんですね。原田的には。

人件費は特別扱い

営業利益だけを見ているのでは不十分です。営業利益だけを見ていると、
毎年増益増益であれば、この会社すごいね!ということになるのですが、
しかし会社を動かしているのは、どこまでいっても「人」です。

会社の経営活動=人の経営活動なのです。人がものを作り、人が販売し、人が管理するのです。
人が労働価値を提供し、その対価として給料が払われるのです。

何が言いたいかというと、経営者も含めたすべての従業員が適切な対価を受け取った上で、
営業利益が伸びていれば、それは◎です。逆に営業利益は増えていても、
従業員の給料が減少していれば、会社という「法人」的には◎でも、
そこで働いている人々にとっては◎でもなんでもないでしょう。

というわけで、原田が経営者さんに是非ウォッチしてほしい指標の結論は、
営業利益-人件費です。そしてそれと人件費とのバランスです。人件費は特別扱いなのです。

営業利益から人件費を差し引くことで、会社に属する人たちが、
自らの労働価値をどれだけの利益に変換することができたのかということを知ることができます。(ちなみに一般的にはこれを付加価値と呼び、
人件費の他にも減価償却費や賃貸料などを差し引くということが言われますが、
原田的には人件費さえ引けていればあとは割とどうでもいいと考えます。)

というわけで、長々のべてきましたが、シンプルな経営分析の第一歩として、
人件費増加かつ営業利益-人件費が増加となっていればいいなあという視点で、
分析の一歩を始めてみてはいかがでしょうか。

編集後記

社会人になって初めてのGW。
せっかくなので息子ズを連れて滋賀県のブルーメの丘にいってきました。
GWの行楽地なめてました。

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