こんにちは原田です。
猫と学ぶ簿記超入門 第19話をお届けします。
猫簿記も18話まで来ており、
いろんな仕訳も徐々に切れるようになってきていると思います。
しかし実は、簿記の根幹部分でまだ説明していない部分があります。
それが試算表です。名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれませんね。
今日は、試算表ってそもそも何なのか、何のためにあるのかをご紹介いたします。
登場猫物と登場人物
前回のお話
ひで:さーて、今週の猫簿記は?
マネ:サザエさん的な入り方やな。
ひで:試算表です。
試算表て何のことかわかってる?
マネ:死三票なぁ。聞くところによると、それを受け取った者は、
三度死ぬぐらいの苦しみを味わうという。
ひで:わかってへんにゃったら説明に移るで。
お勉強的な試算表
ひで:とりあえずお勉強的な説明しとこか。
普段試算表試算表って一口に言うことが多いねんけど、
彼奴(きゃつ)の本名は3つあんねん。
合計試算表、残高試算表、合計残高試算表。
マネ:これ全部覚えなあかんの?
ひで:覚えんでいい。
いや、”実務で帳簿をつけるだけなら”覚えんでいい。
簿記3級とか2級の試験のことを考えるんなら、覚えといたほうがいい。
やけど、ここでは試験勉強を教えてるわけやないから。
マネ:ふーん。ほんなら何を覚えといたらええん?
ひで:えっとな、巷にある簿記の入門書に書いてある説明とは
ぜんっぜん違うと思うから、怒んなよ?
まず、さっきの3つのうち、一つだけ名前を覚えるなら、
“合計残高試算表”だけ覚えといたらええわ。
合計残高試算表
ひで:この合計残高試算表が何を表してるかって言うと、
勘定科目別の
- 期首残高
- 期中の借方仕訳の合計額
- 期中の貸方仕訳の合計額
- 期末の残高
の一覧
具体例を挙げるとこんなん。
数字は超適当な。
見てほしいのは期末残高の計算の仕方。
借方科目、つまり資産と費用は、期首残高+借方合計-貸方合計=期末残高。
貸方科目、つまり負債と純資産と収益は期首残高+貸方合計-借方合計=期末残高。
例えば期中の現金に関する仕訳が↓で、期首現金残高が1,200円やったとすると、
試算表の現金の部分はこうなる。
なんでこうなるかっていうと、
借方科目は借方が+で、貸方が-、
貸方科目は貸方が+で、借方が-っていうルールがあるから。
忘れてるならこちらの記事をどうぞ。
試算表とB/S・P/Lの違い
ひで:というわけで、いわゆる試算表は、
勘定科目ごとに期首残高、期中の動き、期末の残高を見る表なんやで。
マネ:ハイィ!質問!
ひで:何だねマネくん。
マネ:なんか、上の試算表みてると、
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)と同じっぽくない?
もちろん、小計欄、合計欄、利益の額は書いてないけど。
ひで:いい質問ですね。
試算表とB/S、P/L。
ほぼ同じもんやと思ってもええと思うねん。
マネ:ほな何が違うん?
ひで:さっきマネが言うたみたいに、合計欄とかが無い。
ただ、これは会計ソフトによってちょっとずつ表示の仕方が違って、
試算表と言いながら合計欄、利益欄があるのも結構ある。
ほなB/S、P/Lと何が違うかっていうと、勘定科目の集計具合やな。
マネ:???
ひで:上に見せた試算表もっかい見てみ。例えば1行目と2行目。
マネ:現金と普通預金?
ひで:そう。現金699,970円と普通預金1,168,036。
これが試算表上の見え方な。
これがB/Sになるとどうなるかっていうと、
普通は”現金及び預金 1,868,006円”になる。
マネ:あー、それが集約っていうことか。
ひで:そうやねん。試算表上の勘定科目って言うのは、
あくまで、普段の帳簿付けに都合の良いように設定すんねん。
普段から”現金及び預金”勘定しかなかったら、
現金取引なんか預金取引なんかわからへんやろ?
マネ:B/S、P/Lは”まとめ”やと?
ひで:そういうことやな。
だからB/S、P/Lっていう最終目標にたどり着くには、
- 仕訳を切りまくる
- 切りまくった仕訳を集計して、試算表を作る
- 試算表の勘定科目を集約してB/S、P/Lにする
っていう手続きを踏むことになるんやで。
マネ:普段切ってる仕訳が何のためにあるのかやっとわかった気がする。
(次回へ続く)
コメント