こんにちは原田です。
猫と学ぶ経営管理の第17話をお届けします。
今回は予算と実績をどのように分析するかの話です。
予算を立てたからには実績と比較して将来の事業活動に活かすべきですが、
単純な達成・未達成で済ませるのではなく、
細かく分解して、有用な情報に変換してしまいましょう。
予算を立てたなら実績との比較分析を!
ひで:マネー、今日はお勉強やで。
マネ:へい、なんでしょう。
ひで:いや、クライアントの話聞いてても
なかなかできてへんもんなんやなーと思うところがあって。
何の話かっていうと予算実績差異分析。
マネ:予算と実績の比較?
そんなん簡単ちゃうん?おれができるとは言うてへんけど。
ひで:せやで、別に難しいことを言うつもりはない。
ていうかまずもって、そもそも予実分析(予算実績差異分析)をしてない会社が多いねん。
マネ:予算立てたんなら、実績との比較をするのが当たり前やと思うんやけど?
ひで:って思うやろ?
確かにそうなんやけどやっぱり社長さんも含めてみんな忙しいから、
なかなか腰を据えて予実分析してやるぜっていう会社があんまりないっていうな。
マネ:それってめっちゃもったいなくない?
ひで:そう、めっちゃもったいない。
まず、予算って何のために立てるんやと思う?
マネ:え、そんなん一定期間の目標を達成するためやん。
ひで:そうや、その通り。
一般的な説明とはもしかしたら違うかもしれんけど、
例えば資金繰り表がその後一年間とかの資金の動きの”予定”であるのに対し、
予算っていうのは”目標”であることが多いと思うねんな。
毎年おんなじだけの業績でええわーっていう会社は別として、
成長意欲のある会社の場合は、
大なり小なり業績を拡大させることを目論んで予算をたてるわけや。
でも、予算を立てただけでその目標が達成できると思うかね?
マネ:え、それは無理。
予算通りに事が進むわけないやん。
いや、たまには進むこともあるんやろうけど。
ひで:せやろ?
ということは、高精度の予算を立てられるようになるには、
自分が一年前とかに立てた予算が妥当だったのか、
予算の立て方に問題はなかったのか、
予算が達成できなかった理由はなんだったのか、
逆に予算から大幅に上振れしてしまった理由はなんだったのか、
みたいなことがわからんとあかんわけや。
そのための方法が予実分析っていうわけ。
分析の第一段階:細分化
マネ:で、お勉強は?
ひで:あー、ごめんごめん。それが本題。
まず損益計算書を並べる。
一つは予算損益計算書、もう一つは実績の損益計算書。
分析の単位は月次でもいいし、1年分でもええで。
まぁ、仮に1年分としよか。
で、例えば売上のところを見てみる。
マネ:見てみる。
ひで:予算が100,000千円でした。実績が90,000千円でした。
さぁどうする?どう見る?
マネ:10%の未達やな。残念、もっとがんばらなあかんかったな。
ひで:うん、そうやな。で?
マネ:で?・・・
で?
ひで:それでお終い?
マネ:なわけないですよねー。どうしたらええん?
ひで:会社全体で見て10%のマイナスっていうだけでは
何も分析してへんのと同じ。
まず細分化せなあかん。
細分化の軸としては、
商品グループでの細分化とか、営業部門での細分化、
地域での細分化とかがある。
営業マン単位とかもっと細かくもできるんやけど、
あんまり細かくすると、分析の数も多くなるからまぁほどほどにな。
そしたらその細分化した単位でそれぞれ予算と実績を比較する。
マネ:例えば商品単位で細分化したとしたら、
どの商品が達成してて、どの商品が達成してへんかがわかる、
っていうこと?
ひで:そうじゃないねん。もう一歩踏み込むねん。
2方向から分析する
マネ:2方向?どういうこと?
ひで:商品別に達成・未達成を見たところで、
「この商品はがんばったね、こっちの商品は駄目だったね」で終わってまうやん。
そうならないために2方向、つまり数量と価格に分けて考える。
ひで:こういう風に図示するとわかりやすいと思う。
横軸に数量をとって、縦軸に価格をとる。
で、実績数量と実績価格の掛け算が実績の売上な。
同じように予算売上は
で、価格要因による予算と実績の差を価格差異という。
数量要因による予算と実績の差を数量差異という。
“数量予算は達成してるけど、単価が低すぎたから結果的に売上予算は達成できなかった”
みたいな原因がわかる。
原因がわかると対応策も見えてくる。
逆に、原因がわかると予算がそもそも適切やったのかどうかもわかる。
達成不可能な価格で予算をたててたかもしれんし、
数量は余裕がありすぎたかもしれへん。
マネ:なーるほど。
これを予算を立てた科目でどんどんやっていくわけやな。
ひで:基本は売上と売上原価やろね。やっぱり。
この分析を丁寧に実施し続けることで、
予算の立案がどんどん精緻になっていくし、
営業活動・生産活動も最適な価格・数量に
徐々に近づけていくことができるんやで。
以上、今日の勉強お終い。
マネ:あざーす。
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