こんにちは原田です。
猫と学ぶ経営管理の第1話をお届けします。
原田会計では、損益分岐点分析を始めとしたいわゆる管理会計や、
原価計算手法や経営管理手法等を含めた広い意味での経営管理について、
始めて経営管理を学ぶ方にもわかりやすくお届けします。
第1話は月次決算についてです。
月次決算、実施してますか?
そんな暇はない?帳簿付けは1年に1回まとめて?
いやいや、それは非常にもったいないですよ。
帳簿には未来へのヒントが盛りだくさん詰まっています。
せっかく数字を作るのなら、月次で決算をくんで、
一歩先の経営のために活用しましょう。
登場猫物と登場人物
月次決算はめんどくさい
マネ:なぁ所長、月次決算ってめんどくさくない?
ひで:めんどいよ。普段の取引にプラスして、
決算整理仕訳が必要になってくるしな。
マネ:ていうか、そもそも月次決算って何でせなあかんの?
いや、損益を平準化するみたいな話は前にも聞いたしわかってんにゃで?
やけど、損益が平準化できたからってどうなんの?
ひで:損益を平準化するのは手段であって、目的ではないな。
マネ:ほな何を目的に損益の平準化をしようとしてんの?
月次決算をしないと毎月の正確な損益が把握できない
ひで:月次決算をしなかったらどうなるか。
まず一つ目は、正確な損益が把握できひんようになるねん。
例えば減価償却費。これって、税金の計算の事だけを考えたら、
年1回計算して期末月にドカーンて計上してもいいわけや。
そやけど、そうなると、期中は減価償却費ずっと0円で、
期末月だけ12ヶ月分の減価償却費が計上されることになる。
それとか、普通の経費にしたって、月次をちゃんと締めへんかったら、
6月中の費用を7月に計上してしまったりするのが発見されへんかったりするやん。
そういう風な状態の月次の試算表が、正しく損益を現してるって言えるか?
マネ:言えへんな。つーか、そんなんやったら、
儲かってるか儲かってないかすら判断できひんやん?
ひで:その通り。
むしろ月次決算っていうのは、決算って言うてるぐらいやから、
月ごとに貸借対照表と損益計算書を作るに等しいわけや。
正確な損益が把握できないとタイムリーな意思決定もできない
ひで:じゃあ次に、月ごとの正確な損益が把握できひんかったらどうなるか。
マネ:月当たりでどんだけ儲かってるのかがわからへんから、
例えば在庫を増やすべきか減らすべきかとか、
製造業やったら生産稼働率を上げるべきか下げるべきかとかが判断つかへんのちゃう?
ひで:おっしゃる通り。
要するに、機動的な意思決定ができひんのよ。
結果として、過剰な在庫を抱えてしまったり、
逆に販売機会を失って、機会損失が出てしまったり。
もしくは、損益じゃないけども、
タイムリーにキャッシュの状況を把握しとかへんかったら、
資金繰りが大雑把になって、借入が多すぎたり少な過ぎたり。
マネ:どんぶり勘定になってまうんやな。
月次決算をしないと節税対策もできない
ひで:もう一つ。
月次決算をしないっていうことは、
期末時点の決算予測ができひんっていうこと。
期末時点の決算予測ができひんっていうことは、
決算の数か月前の段階で節税対策を練ることができなくなるっていうこと。
期末の出たとこ勝負になってしまうわけやから、
不要資産の処分とか、経費の前倒し利用みたいな節税対策も打てへんようになる。
マネ:これは、税金の額がモロに変わってくるから、
社長さんらにとってはメンタルのダメージでかそうやな。
ひで:というわけで、やっぱり月次決算はやったほうがええと思う。
もちろん手間はかかるんやけどな。それは否定せん。
マネ:手間がかかると社長さんらは嫌がるやろ?
ひで:そらもちろん。本業がおろそかになる!いうてな。
やけど、数字を読むのも本業やとおれは思うで?
マネ:良いこと言うたな。
(次回へ続く)
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